建築基準法の居室と非居室の事例が知りたいです!
一概に室名称のみだと判定は難しいけど、一般的な事例を交えて解説しよう!
はじめに
「居室」とは何か、建築基準法における定義が曖昧に感じられることはありませんか?採光や換気など、居室の捉え方によっては、設計コストに大きく影響するため注意が必要です。
本記事では、建築基準法に基づいた「居室」の定義と制約について詳しく解説し、「居室」と「非居室」の違いを明確にしながら、具体例を交えてわかりやすく説明していきます。これを読み終える頃には、「居室」についての理解が深まり、判断に自信が持てるようになるでしょう。
スポンサーリンク第1章 居室とは何か?
居室とは、継続的に生活したり、作業や会議、集会を行うための空間を指します。例えば、会議室や待合室など特定の人だけでなく、不特定多数の人々が利用し続ける部屋も居室と見なされます。
建築基準法を確認しよう!
スポンサーリンク(用語の定義)
第二条この法律において次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(中略)
四 居室 居住、執務、作業、集会、娯楽その他これらに類する目的のために継続的に使用する室をいう。引用:建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)より
居室って具体的に何の部屋?
用途 | 居室例 |
---|---|
住宅 | リビング、ダイニング、寝室 |
事務所 | 事務室、会議室 |
病院 | 病室、待合室、診察室、X線室、暗室(小規模なものを除く) |
飲食店 | 客席、厨房 |
物販店舗 | 売り場、休憩室 |
工場 | 作業場 |
ホテル | ロビー |
その他 | 公衆浴場 |
第2章 非居室とは何か?
居室以外の空間は「非居室」と呼ばれます。非居室は、利用者が継続して滞在する場所ではない部屋やスペースです。
非居室って具体的に何の部屋?
用途 | 非居室例 |
---|---|
住宅 | 納戸、トイレ、浴室、廊下、倉庫、更衣室 |
工場 | 機械室 |
車庫 | 車庫、玄関ホール |
第3章 よくある『居室』か『非居室』で迷うケース
居室か非居室か判断に迷う代表的な事例について見ていきましょう。
1. 浴室
浴室は、その用途や規模に応じて判断が異なります。一般的な住宅の浴室は「非居室」です。
一方でホテルや銭湯の大浴場、介護施設などの広めの浴室は「居室」として扱われます。多くの利用者が交代で利用し、長時間滞在することがあるためです。
スポンサーリンク2. 厨房・キッチン
飲食店の厨房は、料理人が長時間作業する場として「居室」に該当します。
一方、住宅の小規模なキッチンは「非居室」として扱われます。住宅の台所が他の部屋と区切られ、10㎡未満であれば、居室に該当しません。
ただし、ダイニングキッチンのように、調理と食事が同一空間にある場合は「居室」となります。
スポンサーリンクおわりに
居室とは、継続的に居住・作業・集会などが行われる空間であり、会議室や待合室なども含まれます。一方、非居室は利用者が常時滞在しない空間を指します。居室か非居室かの判断に迷う場合は、建物の用途や構成に応じて考え、さらに必要であれば指定確認検査機関や所管行政庁に相談するのがよいでしょう。
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