建築基準法施行令第116条の2で定める『1/50規定』に、出入口戸の面積は算入可能ですか?
結論算入可能です。しかし注意点もあります。
『建築基準法』と『建築物の防火避難規定の解説』を基に、わかりやすく解説しよう!
はじめに
「無窓居室」――建築基準法施行令第116条の2で定められたこの規定は、出入口戸やその面積にどのような条件があるのか、設計者として知っておくべき重要なテーマです。特に防火や避難の観点から、無窓居室での対応は建築設計においても慎重な判断が求められます。
本記事では「1/50規定」に基づく出入口戸の面積算入の可否や、常閉機能を持つ防火戸に関する注意点について、具体的かつ分かりやすく解説していきます。この記事を通じて、無窓居室の法的な側面をしっかり理解し、安全で法に準拠した建築設計に役立てていただければ幸いです。
スポンサーリンク第1章 無窓居室って?
『建築基準法上で定められた基準を満たす窓がない居室』を指します。室内に『窓がない』部屋ではなく、建築基準法で要求されている採光、換気、排煙、避難の条件を満たさない部屋のことです。
具体的には、以下の4つの観点に無窓居室は分類されます。それぞれが、建築基準法で定められた条件を満たしていない状態を指します。満たしていないことにより、法律に基づいた制限が付加されます。
1 『採光』無窓居室
2 『換気』無窓居室
3 『排煙』無窓居室
4 『避難』無窓居室
『無窓居室』に関して、下記記事にて解説しています。必ず理解いただいた上で本記事を読み進めていただくことを推奨します。
スポンサーリンク第2章 出入口戸の取扱いについて
居室が屋外に面する部分に設置する出入口の扉は、建築基準法施行令第116条の2第1項第二号にある「窓その他の開口部」に含まれるとされています。
(窓その他の開口部を有しない居室等)
第百十六条の二 法第三十五条(法第八十七条第三項において準用する場合を含む。第百二十七条において同じ。)の規定により政令で定める窓その他の開口部を有しない居室は、次の各号に該当する窓その他の開口部を有しない居室とする。
一 面積(第二十条の規定より計算した採光に有効な部分の面積に限る。)の合計が、当該居室の床面積の二十分の一以上のもの
二 開放できる部分(天井又は天井から下方八十センチメートル以内の距離にある部分に限る。)の面積の合計が、当該居室の床面積の五十分の一以上のもの
2 ふすま、障子その他随時開放することができるもので仕切られた二室は、前項の規定の適用については、一室とみなす。
建築基準法施行令第116条の2第1項第二号の「窓その他の開口部」は、「開放できること」が重要なのじゃ。じゃから、開け閉めができる構造の出入口の扉も、開口部としてみなすことができるってこと!
第3章 「建築物の防火避難規定の解説」を手に入れよう!
建築基準法や国土交通省の告示や通達を見ても、
本記事に関する情報は、載ってニャイよね?
そうなんだよ。『建築物の防火避難規定の解説』にしか載っていないんだ。
つまりこれがないと、設計が行き詰まってしまう場合があるんだ。
設計者は必ず購入すべき本です!少し高いけど、ずっと使えるから持っておくべきだよ!
おわりに
無窓居室に関する規定は、単なる防火設備の設置に留まらず、避難経路の確保や安全性の向上に直結する重要な要素です。特に出入口戸の面積や常閉機能についての法的な取り扱いを理解することで、設計時のトラブルを未然に防ぐことができます。本記事で紹介した「建築物の防火避難規定の解説」も活用しながら、法令に準拠した安全な居住空間を提供するための知識を深めていただければと思います。今後の設計にぜひ活かしてください。
スポンサーリンク