無窓居室ってなに?いくつか種類があるのかな?
全部で4つあるよ!『排煙/採光/換気/避難』それぞれに無窓居室の定義があります。解説しよう!
はじめに
「無窓居室(むそうきょしつ)」という言葉をご存知でしょうか。建築基準法に基づくこの用語は、採光や換気、防火避難の観点から規定される特殊な居室に該当します。しかし、「無窓居室」と言っても「窓がない部屋」ではない点がポイントです。無窓居室に関する理解が深まることで、設計者は建物の安全性と快適性を確保しやすくなります。
本記事では、無窓居室の種類と要件について、詳しく解説していきます。
スポンサーリンク第1章 無窓居室とは?基本の意味を押さえよう!
『建築基準法上で定められた基準を満たす窓がない居室』を指します。室内に『窓がない』部屋ではなく、建築基準法で要求されている採光、換気、排煙、避難の条件を満たさない部屋のことです。
具体的には、以下の4つの観点に無窓居室は分類されます。それぞれが、建築基準法で定められた条件を満たしていない状態を指します。満たしていないことにより、法律に基づいた制限が付加されます。
1 『採光』無窓居室
2 『換気』無窓居室
3 『排煙』無窓居室
4 『避難』無窓居室
第2章 『採光』無窓居室について
建築基準法で定められた採光基準を満たさない居室を指します。
採光無窓居室の該当条件と制限
該当条件:有効な採光開口部の面積が、居室床面積の1/20未満の場合に該当
制限1:非常用照明装置の設置
→ 建築基準法施行令116条の2第1項一号、建築基準法施行令126条の4
制限2:直通階段までの歩行距離を30m以内に制限
→ 建築基準法施行令120条、建築基準法施行令116条の2第1項一号
制限3:接道及び道路幅員条件の制限
→ 建築基準法43条3項、建築基準法施行令116条の2、建築基準法施行令144条の5
制限4:主要構造部を耐火構造または不燃材料で区画する必要がある
(『採光』無窓居室及び『避難』無窓居室に該当する場合のみ制限有)
→ 建築基準法35条の3、建築基準法施行令111条
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(窓その他の開口部を有しない居室等)
第百十六条の二 法第三十五条(法第八十七条第三項において準用する場合を含む。第百二十七条において同じ。)の規定により政令で定める窓その他の開口部を有しない居室は、次の各号に該当する窓その他の開口部を有しない居室とする。
一 面積(第二十条の規定より計算した採光に有効な部分の面積に限る。)の合計が、当該居室の床面積の二十分の一以上のもの
二 開放できる部分(天井又は天井から下方八十センチメートル以内の距離にある部分に限る。)の面積の合計が、当該居室の床面積の五十分の一以上のもの
2 ふすま、障子その他随時開放することができるもので仕切られた二室は、前項の規定の適用については、一室とみなす。第四節 非常用の照明装置
(設置)
第百二十六条の四 法別表第一(い)欄(一)項から(四)項までに掲げる用途に供する特殊建築物の居室、階数が三以上で延べ面積が五百平方メートルを超える建築物の居室、第百十六条の二第一項第一号に該当する窓その他の開口部を有しない居室又は延べ面積が千平方メートルを超える建築物の居室及びこれらの居室から地上に通ずる廊下、階段その他の通路(採光上有効に直接外気に開放された通路を除く。)並びにこれらに類する建築物の部分で照明装置の設置を通常要する部分には、非常用の照明装置を設けなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する建築物又は建築物の部分については、この限りでない。
一 一戸建の住宅又は長屋若しくは共同住宅の住戸
二 病院の病室、下宿の宿泊室又は寄宿舎の寝室その他これらに類する居室
三 学校等
四 避難階又は避難階の直上階若しくは直下階の居室で避難上支障がないものその他これらに類するものとして国土交通大臣が定めるもの
2 第百十七条第二項各号に掲げる建築物の部分は、この節の規定の適用については、それぞれ別の建築物とみなす。
(直通階段の設置)
第百二十条 建築物の避難階以外の階(地下街におけるものを除く。次条第一項において同じ。)においては、避難階又は地上に通ずる直通階段(傾斜路を含む。以下同じ。)を次の表の上欄に掲げる居室の種類の区分に応じ当該各居室からその一に至る歩行距離が同表の中欄又は下欄に掲げる場合の区分に応じそれぞれ同表の中欄又は下欄に掲げる数値以下となるように設けなければならない。
居室の種類 主要構造部が準耐火構造(特定主要構造部が耐火構造を含む)または不燃材料で造られている場合 その他の場合 第116条の2 第1項 第1号に該当する窓その他の開口部を有しない居室
(適用除外:居室の床面積や廊下・通路構造、消火設備・排煙設備・非常用照明装置・警報設備が避難上支障がないと国土交通大臣が定める基準に適合する場合)
特殊建築物の主たる用途の居室30メートル 30メートル 特殊建築物(法別表第一(い)欄(二)項)の主たる用途の居室 50メートル 30メートル 上記以外の居室 50メートル 40メートル
(敷地等と道路との関係)
第四十三条 建築物の敷地は、道路(次に掲げるものを除く。第四十四条第一項を除き、以下同じ。)に二メートル以上接しなければならない。
一 自動車のみの交通の用に供する道路
二 地区計画の区域(地区整備計画が定められている区域のうち都市計画法第十二条の十一の規定により建築物その他の工作物の敷地として併せて利用すべき区域として定められている区域に限る。)内の道路
2 前項の規定は、次の各号のいずれかに該当する建築物については、適用しない。
一 その敷地が幅員四メートル以上の道(道路に該当するものを除き、避難及び通行の安全上必要な国土交通省令で定める基準に適合するものに限る。)に二メートル以上接する建築物のうち、利用者が少数であるものとしてその用途及び規模に関し国土交通省令で定める基準に適合するもので、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるもの
二 その敷地の周囲に広い空地を有する建築物その他の国土交通省令で定める基準に適合する建築物で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て許可したもの
3 地方公共団体は、次の各号のいずれかに該当する建築物について、その用途、規模又は位置の特殊性により、第一項の規定によつては避難又は通行の安全の目的を十分に達成することが困難であると認めるときは、条例で、その敷地が接しなければならない道路の幅員、その敷地が道路に接する部分の長さその他その敷地又は建築物と道路との関係に関して必要な制限を付加することができる。
一 特殊建築物
二 階数が三以上である建築物
三 政令で定める窓その他の開口部を有しない居室を有する建築物
四 延べ面積(同一敷地内に二以上の建築物がある場合にあつては、その延べ面積の合計。次号、第四節、第七節及び別表第三において同じ。)が千平方メートルを超える建築物
五 その敷地が袋路状道路(その一端のみが他の道路に接続したものをいう。)にのみ接する建築物で、延べ面積が百五十平方メートルを超えるもの(一戸建ての住宅を除く。)引用:建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)より
(窓その他の開口部を有しない居室等)
第百十六条の二 法第三十五条(法第八十七条第三項において準用する場合を含む。第百二十七条において同じ。)の規定により政令で定める窓その他の開口部を有しない居室は、次の各号に該当する窓その他の開口部を有しない居室とする。
一 面積(第二十条の規定より計算した採光に有効な部分の面積に限る。)の合計が、当該居室の床面積の二十分の一以上のもの
二 開放できる部分(天井又は天井から下方八十センチメートル以内の距離にある部分に限る。)の面積の合計が、当該居室の床面積の五十分の一以上のもの
2 ふすま、障子その他随時開放することができるもので仕切られた二室は、前項の規定の適用については、一室とみなす。(窓その他の開口部を有しない居室)
第百四十四条の五 法第四十三条第三項第三号の規定により政令で定める窓その他の開口部を有しない居室は、第百十六条の二に規定するものとする。
(無窓の居室等の主要構造部)
第三十五条の三 政令で定める窓その他の開口部を有しない居室は、その居室を区画する主要構造部を耐火構造とし、又は不燃材料で造らなければならない。ただし、別表第一(い)欄(一)項に掲げる用途に供するものについては、この限りでない。引用:建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)より
(窓その他の開口部を有しない居室等)
第百十一条 法第三十五条の三(法第八十七条第三項において準用する場合を含む。)の規定により政令で定める窓その他の開口部を有しない居室は、次の各号のいずれかに該当する窓その他の開口部を有しない居室(避難階又は避難階の直上階若しくは直下階の居室その他の居室であつて、当該居室の床面積、当該居室からの避難の用に供する廊下その他の通路の構造並びに消火設備、排煙設備、非常用の照明装置及び警報設備の設置の状況及び構造に関し避難上支障がないものとして国土交通大臣が定める基準に適合するものを除く。)とする。
一 面積(第二十条の規定により計算した採光に有効な部分の面積に限る。)の合計が、当該居室の床面積の二十分の一以上のもの
二 直接外気に接する避難上有効な構造のもので、かつ、その大きさが直径一メートル以上の円が内接することができるもの又はその幅及び高さが、それぞれ、七十五センチメートル以上及び一・二メートル以上のもの
2 ふすま、障子その他随時開放することができるもので仕切られた二室は、前項の規定の適用については、一室とみなす。
第3章 『換気』無窓居室について
建築基準法で定められた換気基準を満たさない居室を指します。
換気無窓居室の該当条件と制限
該当条件:換気に有効な開口部の面積が居室床面積の1/20未満の場合に該当
制限:自然換気設備・機械換気設備・空気調和設備の設置
→ 建築基準法28条2項、建築基準法施行令20条の2
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(居室の採光及び換気)
第二十八条 住宅、学校、病院、診療所、寄宿舎、下宿その他これらに類する建築物で政令で定めるものの居室(居住のための居室、学校の教室、病院の病室その他これらに類するものとして政令で定めるものに限る。)には、採光のための窓その他の開口部を設け、その採光に有効な部分の面積は、その居室の床面積に対して、五分の一から十分の一までの間において居室の種類に応じ政令で定める割合以上としなければならない。ただし、地階若しくは地下工作物内に設ける居室その他これらに類する居室又は温湿度調整を必要とする作業を行う作業室その他用途上やむを得ない居室については、この限りでない。
2 居室には換気のための窓その他の開口部を設け、その換気に有効な部分の面積は、その居室の床面積に対して、二十分の一以上としなければならない。ただし、政令で定める技術的基準に従つて換気設備を設けた場合においては、この限りでない。
3 別表第一(い)欄(一)項に掲げる用途に供する特殊建築物の居室又は建築物の調理室、浴室その他の室でかまど、こんろその他火を使用する設備若しくは器具を設けたもの(政令で定めるものを除く。)には、政令で定める技術的基準に従つて、換気設備を設けなければならない。
4 ふすま、障子その他随時開放することができるもので仕切られた二室は、前三項の規定の適用については、一室とみなす。引用:建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)より
(換気設備の技術的基準)
第二十条の二 法第二十八条第二項ただし書の政令で定める技術的基準及び同条第三項(法第八十七条第三項において準用する場合を含む。以下この条及び次条第一項において同じ。)の政令で定める法第二十八条第三項に規定する特殊建築物(第一号において「特殊建築物」という。)の居室に設ける換気設備の技術的基準は、次に掲げるものとする。
一 換気設備の構造は、次のイからニまで(特殊建築物の居室に設ける換気設備にあつては、ロからニまで)のいずれかに適合するものであること。
イ 自然換気設備にあつては、第百二十九条の二の五第一項の規定によるほか、次に掲げる構造とすること。
(1) 排気筒の有効断面積(平方メートルで表した面積とする。)が、次の式によつて計算した必要有効断面積以上であること。
Av=Af/(250√h)
(この式において、Av、Af及びhは、それぞれ次の数値を表すものとする。
Av 必要有効断面積(単位 平方メートル)
Af 居室の床面積(当該居室が換気上有効な窓その他の開口部を有する場合においては、当該開口部の換気上有効な面積に二十を乗じて得た面積を当該居室の床面積から減じた面積)(単位 平方メートル)
h 給気口の中心から排気筒の頂部の外気に開放された部分の中心までの高さ(単位 メートル))
(2) 給気口及び排気口の有効開口面積(平方メートルで表した面積とする。)が、(1)の式によつて計算した必要有効断面積以上であること。
(3) (1)及び(2)に掲げるもののほか、衛生上有効な換気を確保することができるものとして国土交通大臣が定めた構造方法を用いるものであること。
ロ 機械換気設備(中央管理方式の空気調和設備(空気を浄化し、その温度、湿度及び流量を調節して供給(排出を含む。)をすることができる設備をいう。以下同じ。)を除く。以下同じ。)にあつては、第百二十九条の二の五第二項の規定によるほか、次に掲げる構造とすること。
(1) 有効換気量(立方メートル毎時で表した量とする。(2)において同じ。)が、次の式によつて計算した必要有効換気量以上であること。
V=20Af/N
(この式において、V、Af及びNは、それぞれ次の数値を表すものとする。
V 必要有効換気量(単位 一時間につき立方メートル)
Af 居室の床面積(特殊建築物の居室以外の居室が換気上有効な窓その他の開口部を有する場合においては、当該開口部の換気上有効な面積に二十を乗じて得た面積を当該居室の床面積から減じた面積)(単位 平方メートル)
N 実況に応じた一人当たりの占有面積(特殊建築物の居室にあつては、三を超えるときは三と、その他の居室にあつては、十を超えるときは十とする。)(単位 平方メートル))
(2) 一の機械換気設備が二以上の居室に係る場合にあつては、当該換気設備の有効換気量が、当該二以上の居室のそれぞれの必要有効換気量の合計以上であること。
(3) (1)及び(2)に掲げるもののほか、衛生上有効な換気を確保することができるものとして国土交通大臣が定めた構造方法を用いるものであること。
ハ 中央管理方式の空気調和設備にあつては、第百二十九条の二の五第三項の規定によるほか、衛生上有効な換気を確保することができるものとして国土交通大臣が定めた構造方法を用いるものとすること。
ニ イからハまでに掲げる構造とした換気設備以外の換気設備にあつては、次に掲げる基準に適合するものとして、国土交通大臣の認定を受けたものとすること。
(1) 当該居室で想定される通常の使用状態において、当該居室内の人が通常活動することが想定される空間の炭酸ガスの含有率をおおむね百万分の千以下に、当該空間の一酸化炭素の含有率をおおむね百万分の六以下に保つ換気ができるものであること。
(2) 給気口及び排気口には、雨水の浸入又はねずみ、ほこりその他衛生上有害なものの侵入を防ぐための設備を設けること。
(3) 風道から発散する物質及びその表面に付着する物質によつて居室の内部の空気が汚染されないものであること。
(4) 中央管理方式の空気調和設備にあつては、第百二十九条の二の五第三項の表の(一)の項及び(四)の項から(六)の項までの中欄に掲げる事項がそれぞれ同表の下欄に掲げる基準に適合するものであること。
二 法第三十四条第二項に規定する建築物又は各構えの床面積の合計が千平方メートルを超える地下街に設ける機械換気設備(一の居室のみに係るものを除く。)又は中央管理方式の空気調和設備にあつては、これらの制御及び作動状態の監視を中央管理室(当該建築物、同一敷地内の他の建築物又は一団地内の他の建築物の内にある管理事務所、守衛所その他常時当該建築物を管理する者が勤務する場所で避難階又はその直上階若しくは直下階に設けたものをいう。以下同じ。)において行うことができるものであること。
第4章 『排煙』無窓居室について
建築基準法で定められた排煙基準を満たさない居室を指します。
排煙無窓居室の該当条件と制限
該当条件:排煙に有効な開口部の面積が居室床面積の1/50未満の場合に該当
制限1:自然排煙設備または機械排煙設備の設置
→ 建築基準法施行令126の2
制限2:接道及び道路幅員条件の制限
→ 建築基準法43条3項、建築基準法施行令116条の2、建築基準法施行令144条の5
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第三節 排煙設備
(設置)
第百二十六条の二 法別表第一(い)欄(一)項から(四)項までに掲げる用途に供する特殊建築物で延べ面積が五百平方メートルを超えるもの、階数が三以上で延べ面積が五百平方メートルを超える建築物(建築物の高さが三十一メートル以下の部分にある居室で、床面積百平方メートル以内ごとに、間仕切壁、天井面から五十センチメートル以上下方に突出した垂れ壁その他これらと同等以上に煙の流動を妨げる効力のあるもので不燃材料で造り、又は覆われたもの(以下「防煙壁」という。)によつて区画されたものを除く。)、第百十六条の二第一項第二号に該当する窓その他の開口部を有しない居室又は延べ面積が千平方メートルを超える建築物の居室で、その床面積が二百平方メートルを超えるもの(建築物の高さが三十一メートル以下の部分にある居室で、床面積百平方メートル以内ごとに防煙壁で区画されたものを除く。)には、排煙設備を設けなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する建築物又は建築物の部分については、この限りでない。
一 法別表第一(い)欄(二)項に掲げる用途に供する特殊建築物のうち、準耐火構造の床若しくは壁又は法第二条第九号の二ロに規定する防火設備で区画された部分で、その床面積が百平方メートル(共同住宅の住戸にあつては、二百平方メートル)以内のもの
二 学校(幼保連携型認定こども園を除く。)、体育館、ボーリング場、スキー場、スケート場、水泳場又はスポーツの練習場(以下「学校等」という。)
三 階段の部分、昇降機の昇降路の部分(当該昇降機の乗降のための乗降ロビーの部分を含む。)その他これらに類する建築物の部分
四 機械製作工場、不燃性の物品を保管する倉庫その他これらに類する用途に供する建築物で主要構造部が不燃材料で造られたものその他これらと同等以上に火災の発生のおそれの少ない構造のもの
五 火災が発生した場合に避難上支障のある高さまで煙又はガスの降下が生じない建築物の部分として、天井の高さ、壁及び天井の仕上げに用いる材料の種類等を考慮して国土交通大臣が定めるもの
2 次に掲げる建築物の部分は、この節の規定の適用については、それぞれ別の建築物とみなす。
一 建築物が開口部のない準耐火構造の床若しくは壁又は法第二条第九号の二ロに規定する防火設備でその構造が第百十二条第十九項第一号イ及びロ並びに第二号ロに掲げる要件を満たすものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの若しくは国土交通大臣の認定を受けたもので区画されている場合における当該床若しくは壁又は防火設備により分離された部分
二 建築物の二以上の部分の構造が通常の火災時において相互に煙又はガスによる避難上有害な影響を及ぼさないものとして国土交通大臣が定めた構造方法を用いるものである場合における当該部分
第二節 建築物又はその敷地と道路又は壁面線との関係等
(敷地等と道路との関係)
第四十三条 建築物の敷地は、道路(次に掲げるものを除く。第四十四条第一項を除き、以下同じ。)に二メートル以上接しなければならない。
一 自動車のみの交通の用に供する道路
二 地区計画の区域(地区整備計画が定められている区域のうち都市計画法第十二条の十一の規定により建築物その他の工作物の敷地として併せて利用すべき区域として定められている区域に限る。)内の道路
2 前項の規定は、次の各号のいずれかに該当する建築物については、適用しない。
一その敷地が幅員四メートル以上の道(道路に該当するものを除き、避難及び通行の安全上必要な国土交通省令で定める基準に適合するものに限る。)に二メートル以上接する建築物のうち、利用者が少数であるものとしてその用途及び規模に関し国土交通省令で定める基準に適合するもので、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるもの
二その敷地の周囲に広い空地を有する建築物その他の国土交通省令で定める基準に適合する建築物で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て許可したもの
3 地方公共団体は、次の各号のいずれかに該当する建築物について、その用途、規模又は位置の特殊性により、第一項の規定によつては避難又は通行の安全の目的を十分に達成することが困難であると認めるときは、条例で、その敷地が接しなければならない道路の幅員、その敷地が道路に接する部分の長さその他その敷地又は建築物と道路との関係に関して必要な制限を付加することができる。
一 特殊建築物
二 階数が三以上である建築物
三 政令で定める窓その他の開口部を有しない居室を有する建築物
四 延べ面積(同一敷地内に二以上の建築物がある場合にあつては、その延べ面積の合計。次号、第四節、第七節及び別表第三において同じ。)が千平方メートルを超える建築物
五 その敷地が袋路状道路(その一端のみが他の道路に接続したものをいう。)にのみ接する建築物で、延べ面積が百五十平方メートルを超えるもの(一戸建ての住宅を除く。)引用:建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)より
(窓その他の開口部を有しない居室等)
第百十六条の二 法第三十五条(法第八十七条第三項において準用する場合を含む。第百二十七条において同じ。)の規定により政令で定める窓その他の開口部を有しない居室は、次の各号に該当する窓その他の開口部を有しない居室とする。
一 面積(第二十条の規定より計算した採光に有効な部分の面積に限る。)の合計が、当該居室の床面積の二十分の一以上のもの
二 開放できる部分(天井又は天井から下方八十センチメートル以内の距離にある部分に限る。)の面積の合計が、当該居室の床面積の五十分の一以上のもの
2 ふすま、障子その他随時開放することができるもので仕切られた二室は、前項の規定の適用については、一室とみなす。(窓その他の開口部を有しない居室)
第百四十四条の五 法第四十三条第三項第三号の規定により政令で定める窓その他の開口部を有しない居室は、第百十六条の二に規定するものとする。
第5章 『避難』無窓居室について
建築基準法で定められた避難基準を満たさない居室を指します。
避難無窓居室の該当条件と制限
該当条件:避難に必要な開口部(直接外気に接する避難上有効な開口部)がない場合に該当
制限:主要構造部を耐火構造または不燃材料で区画する。
(『採光』無窓居室及び『避難』無窓居室に該当する場合のみ制限有)
→ 建築基準法35条の3、建築基準法施行令111条
『直接外気に接する避難上有効な開口部』って?
『直径1m以上の円を内接する開口』か『W750mm×H1200mm以上の開口』を指すよ!
建築基準法で確認しよう!
(無窓の居室等の主要構造部)
第三十五条の三 政令で定める窓その他の開口部を有しない居室は、その居室を区画する主要構造部を耐火構造とし、又は不燃材料で造らなければならない。ただし、別表第一(い)欄(一)項に掲げる用途に供するものについては、この限りでない。引用:建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)より
(窓その他の開口部を有しない居室等)
第百十一条 法第三十五条の三(法第八十七条第三項において準用する場合を含む。)の規定により政令で定める窓その他の開口部を有しない居室は、次の各号のいずれかに該当する窓その他の開口部を有しない居室(避難階又は避難階の直上階若しくは直下階の居室その他の居室であつて、当該居室の床面積、当該居室からの避難の用に供する廊下その他の通路の構造並びに消火設備、排煙設備、非常用の照明装置及び警報設備の設置の状況及び構造に関し避難上支障がないものとして国土交通大臣が定める基準に適合するものを除く。)とする。
一 面積(第二十条の規定により計算した採光に有効な部分の面積に限る。)の合計が、当該居室の床面積の二十分の一以上のもの
二 直接外気に接する避難上有効な構造のもので、かつ、その大きさが直径一メートル以上の円が内接することができるもの又はその幅及び高さが、それぞれ、七十五センチメートル以上及び一・二メートル以上のもの
2 ふすま、障子その他随時開放することができるもので仕切られた二室は、前項の規定の適用については、一室とみなす。
おわりに
無窓居室の基準は、建物の安全性と快適性を確保するために設けられています。各種基準を理解し、適切な対策を講じることで、居住者の安心と快適な空間を実現できます。設計者として、基準の細かい点まで理解し、建築基準法に沿った設計を心掛けましょう。
最後に無窓居室のまとめ表です!
無窓種別 | 規制内容 | 『無窓居室』の基準 | 規制内容 | 関連条文 |
---|---|---|---|---|
『換気』無窓居室 | 換気に関する規制 | 換気に有効な開口部<居室面積の1/20 | 自然換気/機械換気/空気調和設備を設置すること | 【建築基準法】第28条第2項 【建築基準法施行令】第20条の2 |
『採光』無窓居室 | 非常用照明に関する規制 | 採光に有効な開口部<居室面積の1/20 | 非常用照明を設置すること | 【建築基準法施行令】第116条の2 /第126条の4 |
『採光』無窓居室 | 歩行距離に関する規制 | 採光に有効な開口部<居室面積の1/20 | 直通階段までの歩行距離を30m以下とする | 【建築基準法施行令】第120条/第116条の2 |
『排煙』無窓居室 | 排煙に関する規制 | 排煙に有効な開口部(天井から800mm以内下方)<居室面積の1/50 | 排煙設備を設置すること | 【建築基準法施行令】第116条の2/第126条の2 |
『採光』無窓居室 『排煙』無窓居室 | 内装制限に関する規制 | (1) 50㎡超の居室かつ排煙に有効な開口部(天井から800mm下方以内)<居室面積の1/50 (2) 温湿度調整を必要とする作業室その他用途上やむを得ず採光が確保できない居室 ※上記(1)(2)いずれも天井高6m超の室を除く | 居室や地上に至る廊下・階段の壁・天井仕上を準不燃材料とすること | 【建築基準法施行令】第128条の3の2 |
『採光』無窓居室 『排煙』無窓居室 | 敷地及び接道に関する規制 | (1) 採光に有効な開口部<居室面積の1/20 (2) 排煙に有効な開口部(天井から800mm下方以内)<居室面積の1/50 | 道路幅員や接道条件について、条例にて上乗せ制限有 | 【建築基準法】 第43条第2項 【建築基準法施行令】第116条の2/第144条の5 |
『採光』無窓居室 『避難』無窓居室 | 主要構造部に関する規制 | 次の(イ)(ロ)のどちらにも該当する居室 (イ) 採光に有効な開口部<居室面積の1/20 (ロ) 『直接外気に接する避難上有効な開口部(下記定義参照)』が無いもの <定義> ①直接1m以上の円が内接する開口部 ②W750mm×H1200mm以上の開口部 | 居室を区画する主要構造部は、耐火構造または不燃材料で造る必要がある。 | 【建築基準法】 第35条の3 【建築基準法施行令】第111条 |