鉄骨造の場合、梁貫通孔をどこに開けていいか分かりません。
国土交通省が、標準的なルールを定めているよ!
文字だけだと分かりずらいから絵で解説しよう!
はじめに
鉄骨造(S造)の設計において、梁に貫通孔を設ける際、その位置や大きさに悩んだことはありませんか?実は、これには国土交通省が定めた基準があり、これに従うことで安全で効率的な設計が可能になります。しかし、基準の内容は複雑で、特に文章だけでは理解しづらい部分もあります。本記事では、梁貫通に関する重要な5つのルールをイラストを用いてわかりやすく解説していきます。これにより、設計の精度向上と施工ミスの防止に役立てていただければと思います。
スポンサーリンク第1章 大事なことは国土交通省が解説している
梁貫通と聞いておそらく初めに頼りにするのは、国土交通省の建築構造設計基準でしょう。私自身も初めは全く知りませんでした。皆さんも知っているようで実は知らないという方も多いのではないでしょうか。その他構造の解説本でも詳しく記載があると思いますが、まずはここを押さえるべきだと思います。それでは、資料の主旨から解説しましょう。
既に資料の内容を知っている方は、
基礎ができている証拠ですね!本当にすごいです。
建築構造設計基準について
国土交通省発行の梁貫通の技術的基準をご紹介する前に、関係資料のご紹介をします。大きく分けて3つの資料が存在します。
①「官庁施設の基本的性能基準」
↓①をより詳細に補足!
②「建築構造設計基準」
↓②を更に詳細に補足!
③「建築構造設計基準の資料」←ここに技術的基準記載有
それぞれが親子関係になっています。①の補足を②で行い、②の補足を③で行います。今回の主題である梁貫通の技術的記載があるのは、③です。
1点大きな前提条件としては、官庁施設を計画する際の基準ということです。ここを理解した上で、読み進めていただければと思います。次項より①から③のリンクを添付致しますので、1次情報を必ずご自身でもご確認いただくことを推奨します。
①「官庁施設の基本的性能基準」
本書の「目的」を見てみよう!
前述の通り、公共的な施設(官庁施設)の計画を前提に各技術基準が定められていることがわかります。本書は、構造に限らず全般的な概念をまとめられています。
②「建築構造設計基準」
本書の「目的」を見てみよう!
構造分野にフォーカスした内容になってきました。しかし本書では、まだ具体的な基準までは言及がございません。
③「建築構造設計基準の資料」
本書の「目的」を見てみよう!
本書では、技術的基準が記載されています。以降のより詳細な技術的基準については、別資料「鋼構造許容応力度設計規準(日本建築学会)」参照と記載されています。
国土交通省資料の全体感が掴めたところで、
本題の梁貫通ルールについて図解していくよ!
第2章 国土交通省の「梁貫通」S造基準を図解!
大きく分けて5つのルールがあります。
「建築構造設計基準の資料」の記載を基にイラストにまとめたよ!
視覚的に理解を進めてみてね!
ルール1 継手より仕口側はNG
ルール2 貫通孔同士の間隔
スポンサーリンクルール3 貫通孔の位置
ルール4 境界梁は原則NG
ルール5 孔径の制限
スポンサーリンク5つのルールに関する根拠資料抜粋
建築構造設計基準
建築構造設計基準の資料
上記マーカー部分基に、図解を作成しました。必ず1次情報に触れる癖をつけましょう。
スポンサーリンクおわりに
鉄骨造の梁貫通設計は、国土交通省の基準に基づく明確なルールがあります。これらのルールをしっかり理解し、適用することで、構造の安全性を確保しつつ、合理的な設計が可能になります。本記事で紹介した5つの基準とイラストを参考に、今後の設計業務に役立ててください。技術的な詳細については、必ず一次情報を確認し、自信を持って設計を進めていきましょう。