
物品販売店舗と飲食店舗との異種用途区画の取扱いについて教えて下さい!

解釈と条件について、『建築物の防火避難規定の解説』をもとに解説します!
はじめに

建築設計において、物品販売店舗と飲食店舗が同一の建物内に併設されるケースは少なくありません。特に商業施設や複合用途ビルにおいては、異なる用途の空間が同一フロアや連続した階に配置されることが一般的です。こうした状況下では、防火区画や避難計画の観点から、「異種用途区画」の取扱いが重要な検討課題となります。
本記事では、建築基準法および『建築物の防火避難規定の解説』をもとに、物品販売店舗と飲食店舗との間に必要とされる区画の考え方や、例外的に区画を不要とする条件について詳しく解説いたします。設計実務において誤解が生じやすいポイントを明確にし、適切な判断ができるよう実務者に向けた指針を提供することを目的としています。

第1章 物品販売店舗と飲食店舗との異種用途区画の取扱い

物品販売を行う店舗と飲食店が、たとえば3階以上に複合して設けられるような場合には、原則としてそれぞれを区画する必要があります。

これは、建築基準法別表第1の(い)欄で同じ用途区分に含まれていたとしても、用途が異なる場合には区画が必要とされるという取り扱いによるものです。
別表第一 耐火建築物等としなければならない特殊建築物(第六条、第二十一条、第二十七条、第二十八条、第三十五条―第三十五条の三、第九十条の三関係)
(い)欄用途
(一)劇場、映画館、演芸場、観覧場、公会堂、集会場その他これらに類するもので政令で定めるもの
(二)病院、診療所(患者の収容施設があるものに限る。)、ホテル、旅館、下宿、共同住宅、寄宿舎その他これらに類するもので政令で定めるもの
(三)学校、体育館その他これらに類するもので政令で定めるもの
(四)百貨店、マーケット、展示場、キャバレー、カフェー、ナイトクラブ、バー、ダンスホール、遊技場その他これらに類するもので政令で定めるもの
(五)倉庫その他これに類するもので政令で定めるもの
(六)自動車車庫、自動車修理工場その他これらに類するもので政令で定めるもの引用:建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)より
ただし、以下の要件すべてを満たす場合には、異種用途であっても区画を不要とすることが可能です。

<要件>
・管理者が同一であること
・利用者が一体的な施設として利用していること
・利用時間がほぼ同じであること
・用途が自動車車庫や倉庫等でないこと
この取り扱いは、たとえば物品販売店舗の一角にある喫茶店や食堂、あるいはホテル内に併設されたレストランなどに適用されてきました。

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建築基準法や国土交通省の告示や通達を見ても、
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スポンサーリンクおわりに

物品販売店舗と飲食店舗が併設される場合における異種用途区画の要否は、防火・避難に関する法的要件を正確に把握したうえで判断する必要があります。特に、要件を満たせば区画を不要とできる一方で、誤った解釈による設計は、安全性の低下のみならず、法令違反につながるおそれもあります。
『建築物の防火避難規定の解説』は、こうした判断を下すうえで欠かせない一冊であり、設計者にとって信頼できる情報源です。本記事を通じて、異種用途区画に関する理解がより深まり、安全かつ適法な建築設計の一助となることを願っております。
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