【鉄骨造】プレート部材名称の解説!絶対に抑えるべき12種の用語図解と現場での留意点!試験暗記対策も!

建築知識
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設計者A
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鉄骨造の部材ってよく見ると、

一つ一つ特徴があって、人間の骨みたいだ!

一級建築士:SUPERRE
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骨と同様に、部材には全部名前があるんだ

一般的な名前と現場での留意点を解説するよ

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はじめに

鉄骨造の建物を支える各部材は、まるでパズルのピースのように絶妙に噛み合っています。これらのピースにはそれぞれ名称があり、それを理解することで設計や施工の見え方が大きく変わります本記事では、鉄骨造の継手プレートに関する重要な13種類の部材について、名称と役割、さらに現場での留意点を詳しく解説します。一級建築士の視点から、試験対策にも役立つ知識を分かりやすく紹介していきます。

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鉄骨造の部材名称について

鉄骨造の仕口のスケッチイメージをオリジナルで作成。
鉄骨造の仕口のスケッチイメージ
① 柱(角形鋼管)

一般的に『コラム』と呼ばれる既製品の角形鋼管を『柱』として使用されることが多いです。しかし、建物によっては『ボックス柱』と呼ばれる4つの鋼板を溶接して作るオーダーメイドの柱を使用します。

<現場からの一言>
H型鋼も同様に『ビルドH』と呼ばれるオーダーメイド品がある
よ!
既製品に比べてコストは高く表面にも溶接痕が出てくるから意匠的にも配慮が必要だよ!

② 通しダイアフラム

梁に生じる応力を構造体(柱や他の梁など)に伝達することや、仕口の変形を抑制する為に柱の仕口に設置する鋼板を指します。柱を一部切断して2枚のダイアフラムで挟む一般的な形式です。

<現場からの一言>
通しダイヤフラムは、柱面より外側に板が出てきます
外壁との取合いを検討する際、その寸法分を逃げておかないと納まらないことが多々あります

③ 内ダイアフラム

柱内部にダイアフラムを溶接する形式です。異なる梁せいを設置する場合に用いられることが多いです。

<現場からの一言>
梁を柱面の端部に寄せてしまうと、ダイアフラムの角部が溶接されていない問題が起きる
ので注意が必要です。

④ パネルゾーン

柱と梁の製作部を指します。

<現場からの一言>
『タイコ』や『サイコロ』や『コア』と呼ばれることもあります

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⑤ エンドタブ

端部まで確実な溶接を行う為に、溶接部の両端に設置する鋼片です。セラミック製もありますエンドタブを使わない場合、溶接の始点と終点で溶接の不具合が生じることが多いです。鋼製タブは、溶接が完了した後に原則切断を行うのですが、切断の際に誤って母材を損傷させてしまわないよう、溶接面の一部を残して切断をしなくてはいけません。

固形エンドタブのスケッチイメージを独自に作成。
固形エンドタブのスケッチイメージ

<現場からの一言>
開先と同じ角度(35度)の欠込みが表裏にあり、2回使用可能
です。

⑥ H型鋼<フランジとウェブ>

フランジは、水平方向の板です。引っ張り・圧縮・曲げに対して抵抗する役割を持ちます。ウェブは、垂直方向の板です。フランジ同士に曲げの力を伝達し、剪断力を受けます。

H型鋼のスケッチイメージを独自に作成。
H型鋼のスケッチイメージ

<現場からの一言>
『I型鋼』もある
よ!ウェブとフランジの比率が異なるだけで、名前の考え方は同じです。

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⑦ ブラケット

工場で柱に溶接して設置する短い梁を指します。(青部分です。)ブラケットを採用する場合、既に先付けされたブラケットと梁を建設現場に持ち込み、ハイテンションボルトで接合します。先付けをすると部材として大きいサイズになる為、輸送に手間がかかりますが現場溶接が不要になるのがメリットです。

ブラケット形式の仕口概要イメージスケッチを独自に作成。
ブラケット形式の仕口概要イメージスケッチ

上記は、ブラケット形式です。あらかじめ『ブラケット+柱』の状態を作ってから現場に輸送されます。

ノンブラケット形式の仕口概要イメージスケッチを独自に作成
ノンブラケット形式の仕口概要イメージスケッチ

上記は、ノンブラケット形式です。柱と梁を現場で溶接します。

<現場からの一言>
一般的にコスト感としては、下記になります。

ノンブラケット工法(安い) < ブラケット工法(高い)

運送するサイズが落ちることによる輸送コストの削減が可能です。ハイテンションボルトの本数が減らせます。

⑧ ガセットプレート

大梁と小梁を接合する為のプレートです。

<現場からの一言>
図面表記は、GPL
です。ガセットプレートの表面には、ショットブラスト加工が施されます。表面に凹凸をつけることで、接合部に摩擦を起こしています
スプライスプレートと異なり、設置位置に応じた特殊形状が多いです。

⑨ スプライスプレート

柱や梁同士を継ぐ為のプレートです。母材を挟み込んで使用します。一般的にはハイテンションボルトの接合部に利用されます。

<現場からの一言>
ガセットプレートと異なり、基本的には矩形形状です。

ガセットプレート同様、表面にショットブラスト加工が施されています。

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⑩ 裏当て金
裏当て金の図解イメージを独自に作成。
裏当て金の図解イメージ

完全溶込溶接の際に、母材同士を確実に固定する為に使用する部材です。

<現場からの一言>
裏当て金を入れることで、溶接金属が垂れず確実に固定できる
という仕組みです。

11 スカラップ

梁のウェブ跨ぎで裏当て金を設置可能にする為に必要な欠込み(35R)です。溶接が一筋でできるようにもなります。しかし、この欠込みが弱点になることがありますその為、改良スカラップやノンスカラップ工法が現在の主流です。改良スカラップは、35R+10Rを指します。

柱とブラケットの接続部イメージスケッチを独自に作成。
柱とブラケットの接続部イメージスケッチ
ピン接合の柱部分イメージ図を独自に作成しました。
ピン接合の柱部分イメージ図
12 スチフナー

座屈防止を目的として、H形鋼の中間位置に入れる鉄板を指します。

リブと混在しますが、基本的には同じものとしてみて問題はありません。下記の通り、ほんの少し目的が異なります。
スチフナーの目的:座屈防止を主とする
リブの目的:補強全般を指す

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おわりに

鉄骨造の継手プレートは、建物の強度や安全性に大きく関わる重要な要素です。それぞれの部材の名称や役割を正確に理解し、現場での施工に適切に活用することが求められます。本記事を通じて、皆さんがこれらの部材に対する理解を深め、試験勉強や現場での業務に役立てていただければ幸いです。

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