ギャクバリ?ってなんですか?
逆梁(ぎゃくばり)のことかな!?
順梁と逆梁について解説しよう!
はじめに
逆梁(ぎゃくばり)は、建築において天井高さや空間の広がりを最大限に生かすための設計手法の一つです。特に、ハイサッシやアウトフレームとの併用により、居住空間に開放感を与えることができます。しかし、そのメリットと同時に、逆梁には構造やコストに関する課題も存在します。
本記事では、順梁と逆梁の違いや、逆梁の特性を生かした設計手法、そしてそのメリットとデメリットについて詳しく解説します。これを読めば、逆梁についての理解が深まり、設計の際に役立つ視点を得られるでしょう。
スポンサーリンク第1章 梁には2種類ある
<順梁>:梁がスラブより下にある状態
一般的な計画手法で、梁と柱が居室内にせり出します。実際は、天井が張られることが多い為感じにくいですが、天井裏にデッドスペースが生じます。ここを設備スペースとして利用します。
<逆梁>:梁がスラブより上にある状態
梁がスラブより下に現れてこない為、天井レベルを高く設定しやすいです。
順梁と逆梁を比較すると、こんな感じです!
天井裏には、知らないこともたくさんあるんだね!
第2章 逆梁によるメリットとデメリット
メリット
・開放感や非日常感を演出できる。(ハイサッシ兼用の場合)
・眺望が望める。(ハイサッシ兼用の場合)
デメリット
・構造階高増加によるコスト高
・冷暖房効率の悪化(逆梁を外壁にした時の蓄熱効果)
・設計技量が必要
逆梁は、RC造の時に考えることが一般的です。鉄骨造を、逆梁にするのは非合理的です。
第3章 逆梁と相性のよい設計手法
1 アウトフレーム+ハイサッシ+逆梁
アウトフレームとは、室外側に柱や梁などの構造体を計画する方式です。室内側に柱型が出てこない為、居室が利用しやすいです。反面バルコニー側に柱型が出る為、バルコニーの有効寸法が縮まることや外観の意匠性が下がるなどいくつかデメリットも生じます。アウトフレームと逆梁を組み合わせることで、開放感の溢れる居室とすることができます。
ハイサッシを計画したいから逆梁で計画するくらいの常套手段です。順梁の場合、サッシ上部に梁を計画することが多いですが、逆梁の場合バルコニーの手摺位置に計画されることが多いです。これにより、ハイサッシとすることが可能です。
『順梁+偏平梁』にして『ハイサッシ』を計画することもあります。
扁平梁により梁せいを少なくして、ハイサッシの使用が可能となります。
※梁貫通の可否に注意。
中間梁+逆梁
見下げ方向の視界を梁により遮られてしまうことが、デメリットとして挙げられます。これを改善するのが中間梁です。通常の逆梁の位置より少し下げることで見下げ方向の開放性を改善することが可能です。
手すり寸法には、注意が必要だよ!
この記事で手すり寸法の基礎を体得しよう!
おわりに
逆梁は、ハイサッシやアウトフレームと組み合わせることで、開放的でスタイリッシュな空間を実現できますが、構造やコスト面での考慮が不可欠です。また、適切な設計技術が求められるため、メリットを最大限に引き出すためには十分な検討が必要です。順梁との違いを理解し、目的に応じた適切な選択をすることが、より良い空間設計につながります。逆梁を上手に活用して、利用者に快適で魅力的な空間を提供しましょう。
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