RCにおける梁やスラブは、どこで打ち継ぐのがいいのかな?
力学の知識を踏まえて覚えるといいよ!
はじめに
建築現場で重要な要素の一つに、梁やスラブの打ち継ぎ位置があります。この位置を間違えると、構造に不具合が生じ、耐久性や安全性に影響を与える可能性があります。
本記事では、力学の概念を怪獣に見立てて、わかりやすくその攻略方法をお伝えしていきます。打継ぎの位置や注意点を学びながら、安全で強固な建物づくりに役立てましょう。
スポンサーリンク第1章 物質回転獣『モーメント』を攻略せよ!
敵の名前:物質回転獣モーメント
特徴:物体を回転させる力です。力の作用により支点が受ける力で物体を回転させます。
攻略法は、こいつの攻撃力が『0(ゼロ)』になるところで打ち継ぐべし!
いつどこで『0(ゼロ)』になるんですか?
『モーメント』には、ある周期があるからそのまま覚えちゃおう!
『モーメント』の弱点:スパンのおおよそ1/4の位置
攻撃力が0(ゼロ)になるここを狙うんだ!
第2章 翼竜『センダンリョク(剪断力)』を攻略せよ!
敵の名前:センダンリョク(剪断力)
特徴:部材の平行な2面に沿って等しい大きさで反対方向に力を作用させた力を指します。
モーメント同様に、攻撃力が『0(ゼロ)』になるところで打ち継ぐべし!
こいつも独自の周期があるからそのまま覚えて!
了解!
『センダンリョク』の弱点:スパンのおおよそ1/2の位置
ここで完全に攻撃力が0(ゼロ)になるここを狙うんだ!
第3章 鉛直打ち継ぎ位置は、怪獣の弱点を狙え!
スラブ範囲が大きい場合、1回でコンクリートを打設できません。その場合、必ずどこかで鉛直部の打ち継ぎが必要になります。その場合は、前章でご紹介した 『モーメント』と『センダンリョク』の弱点を思い出してください。2つの怪獣が攻撃力0(ゼロ)の位置で打ち継ぎをすれば、建物が受けるダメージも最小で済むということです。
スポンサーリンクちなみに。。。水平打継ぎの場合は?
結論:梁やスラブの上端で打ち継ぎをしてください。
特に外壁周りは、外に向かって勾配をつけて、水を積極的に外に出すようにしましょう。打継ぎについては、トラブルの元になるレイタンスや打設不良箇所を取り除くことを必ず行なってください。
おわりに
梁やスラブの打ち継ぎ位置は、構造の耐久性を左右する重要な要素です。物理的な力、つまり『モーメント』や『センダンリョク』の弱点を理解することで、最適な打ち継ぎ位置を見極めることができるようになります。また、水平打ち継ぎや垂直打ち継ぎの注意点についても、今回の内容を踏まえて確実に押さえてください。
スポンサーリンク国が定める『梁貫通』のルールを図で理解しよう!
本記事を踏まえ、各構造ごとの梁貫通の位置についてもおさらいをしておきましょう!
国土交通省が定める公共工事の梁貫通孔に関する規則を図解しました。