
デッキプレートを用いた合成スラブを計画するときの、遮音性能の考え方を教えてください!

合成スラブ工業会が、遮音性能を公表しているよ!
今回は、実際に起きた現場でのトラブルも含めて解説します!
はじめに

鉄骨造の床設計において、遮音性能は運営トラブルに直結する重要な性能です。特にデッキプレートを用いてコンクリートスラブを採用するケースでは、遮音性能への配慮が不足しがちです。
本記事では、実務でよく採用される合成スラブ(デッキコンクリートスラブ)を前提に、重量衝撃音・軽量衝撃音それぞれの留意点と、実際に起きたトラブル事例を交えながら解説します。

第1章|デッキコンクリートスラブは「置床方式」を前提に考える

結論からお伝えします。
デッキコンクリートスラブ(合成スラブ)を採用してホテルや住宅を計画する場合は、床仕様は「置床方式」を前提に検討することを推奨します。
特に下記の仕様の場合は、要注意です。
- 合成スラブの上、アンダーレイ+タイルカーペット等の簡易床仕上げ
合成スラブの遮音性能について


合成スラブ工業会では、合成スラブを対象とした遮音性能試験を実施しており、その結果を公表しています。
ポイント
合成スラブ工業会の公表試験結果は、スラブ厚=いわゆるデッキプレートの山上の寸法によって、軽量衝撃や重量衝撃に対する遮音性能の勘所がわかります。

遮音性能・・・L?なんのこと?

遮音性能については、下記の記事で説明をしているよ!
まずはこの記事を見て知識をつけよう!
第2章|日本建築学会が定める用途別・遮音性能の推奨基準と目安

日本建築学会の指針では、建物用途ごとに界床に求められる重量衝撃音・軽量衝撃音の水準が示されており、設計実務では説明責任の拠り所となる基準として扱われます。その基準を下記に示します。
![引用:日本建築学会による建物・室用途別性能基準 (建築物の遮音性能基準と設計指針[第二版]日本建築学会編 技報堂 p6-p8)](https://i0.wp.com/superreee.com/wp-content/uploads/2026/02/a.webp?resize=1024%2C302&ssl=1)
![引用:日本建築学会による建物・室用途別性能基準 (建築物の遮音性能基準と設計指針[第二版]日本建築学会編 技報堂 p6-p8)](https://i0.wp.com/superreee.com/wp-content/uploads/2026/02/b.webp?resize=1024%2C188&ssl=1)

前章での合成スラブの遮音性能値と比較して、プロジェクトで求められる性能値が現場で発揮できるか?事前に見込みをつけて仕様決定をしていこう!
特に重量衝撃音は、仕上げでのフォローアップがしにくい傾向にある為、注意が必要です。
第3章|実際のトラブル事例と床仕様の比較検討

ここからは、実際に起きたトラブル事例をもとに、デッキコンクリートスラブにおける床仕様検討の難しさを整理します。
建築概要
・構造:鉄骨造
・床構成:デッキコンクリートスラブ(山上寸法100mm)
・仕上げ:合成スラブの上、防音シート+タイルカーペット
設計初期ではコストを優先し、上記仕様が検討されましたが、遮音性能を精査した結果、重量衝撃音 LH-50 に達しない可能性が高いと判断されました。

比較検討の結果
・防音フェルト+タイルカーペット:LH-50 未達の可能性大
・簡易置床:性能ばらつきあり
・高性能置床:LH-50 を安定確保
つまり、デッキコンクリートスラブでは、置床(特に高性能タイプ)を前提にしないと、遮音等級の担保が難しいという結論です。しかし、置床分の寸法を有効天井高さを減らさなければいけない為、その選択は非現実的な選択とならざるを得ませんでした。
注意点
デッキプレートの形状・板厚・コンクリート実厚により結果は変動します。最終判断は必ず設計者・専門メーカーの見解を確認してください。
おわりに

鉄骨造における床遮音設計は、「あとから調整できない」性能の代表格です。特にデッキプレートを採用する場合は、
- 初期段階で遮音目標を明確にする
- 簡易仕様で済ませない
- 置床を前提に階高設定などコストと工程を組む
といった判断が、将来的なトラブル回避につながります。設計段階で一段立ち止まり、その床は、求めている遮音性能を満たせますか?ぜひ、次のプロジェクトで再確認してみてください。
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