
自然公園法上の許可が絡むプロジェクトで、竣工後にイルミネーションの照明を一時的に設置したいんです!

ちょっと待って!それ恐らく環境省の許可が必要だよ。
気がつかないうちに脱法案件になってしまうので、気をつけて!
はじめに

自然公園法の特別地域が適用される地域では、建築本体だけでなく、外構や照明計画についても法的な整理が必要となります。特に外構のイルミネーションや物置などは、「仮設」「一時的な設置」という理由から、許可の対象外と誤解されがちです。
しかし、栃木県内の自然公園区域で実際に検討された事例では、外構照明(クリスマスのイルミネーション電飾)の新設が自然公園法上の許可対象行為として扱われたケースが確認されています。
本記事では、自然公園法の特別地域における外構照明の扱いを簡潔に整理します。

第1章 結論|特別地域内の外構照明は原則「許可」が必要

結論、自然公園法の特別地域(第二種特別地域)内で外構照明を新設する場合、原則として許可申請が必要です。
一時的な設置や演出目的であっても、外構照明は「仮設工作物の新設」として扱われ、無許可での設置は認められません。しかも、内容によっては許可がおりません。
スポンサーリンク第2章 外構照明が許可対象となる理由

外構照明が許可対象となる理由は、自然公園法における工作物(仮設の工作物を含む)の考え方にあります。明確な定義はございませんが、一般的には下記と覚えておくと良いでしょう。
- 工作物:一定期間、同一場所の土地に定着する人工的な施設全般
- 仮設の工作物:その構造が、容易に移転し、又は除却することができるものであって、かつ、設置期間が3年を超えない工作物

「工作物」の考え方は、法令毎に異なるよ!
建築基準法の工作物の考え方とも異なるため、必ず協議をして進めよう!
今回の場合、クリスマスのイルミネーションのような外構照明は、一般的には「仮設の工作物」として整理されます。そのため、「小規模」「期間限定」といった理由だけでは、許可不要とは判断されません。
スポンサーリンク第3章 根拠法令と栃木県での運用事例

工作物が許可対象となる根拠は、自然公園法施行規則 第11条第13項の工作物などにあります。該当法令の自然公園法施行規則第11条13項を見てみましょう。
(特別地域、特別保護地区及び海域公園地区内の行為の許可基準)
第十一条 法第二十条第三項第一号、第二十一条第三項第一号及び第二十二条第三項第一号に掲げる行為(仮設の建築物(土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱又は壁を有するものをいい、建築設備(当該工作物に設ける電気、ガス、給水、排水、換気、暖房、冷房、消火、排煙若しくは汚物処理の設備又は煙突、昇降機若しくは避雷針をいう。第二十条第九号イ(5)において同じ。)を含む。以下同じ。)の新築、改築又は増築に限る。)に係る法第二十条第四項、第二十一条第四項及び第二十二条第四項の環境省令で定める基準(以下この条において「許可基準」という。)は、次のとおりとする。ただし、既存の建築物の改築、既存の建築物の建替え若しくは災害により滅失した建築物の復旧のための新築(申請に係る建築物の規模が既存の建築物の規模を超えないもの又は既存の建築物が有していた機能を維持するためやむを得ず必要最小限の規模の拡大を行うものに限る。)又は学術研究その他公益上必要であり、かつ、申請に係る場所以外の場所においてはその目的を達成することができないと認められる建築物の新築、改築若しくは増築(以下「既存建築物の改築等」という。)であつて、第一号、第五号及び第六号に掲げる基準に適合するものについては、この限りでない。
一 設置期間が三年を超えず、かつ、当該建築物の構造が容易に移転し又は除却することができるものであること。
二 次に掲げる地域(以下「特別保護地区等」という。)内において行われるものでないこと。
イ 特別保護地区、第一種特別地域又は海域公園地区
ロ 第二種特別地域又は第三種特別地域のうち、植生の復元が困難な地域等(次に掲げる地域であつて、その全部若しくは一部について文化財保護法(昭和二十五年法律第二百十四号)第百九条第一項の規定による史跡名勝天然記念物の指定若しくは同法第百十条第一項の規定による史跡名勝天然記念物の仮指定(以下「史跡名勝天然記念物の指定等」という。)がされていること又は学術調査の結果等により、特別保護地区又は第一種特別地域に準ずる取扱いが現に行われ、又は行われることが必要であると認められるものをいう。以下同じ。)であるもの
(1) 高山帯、亜高山帯、風衝地、湿原等植生の復元が困難な地域
(2) 野生動植物の生息地又は生育地として重要な地域
(3) 地形若しくは地質が特異である地域又は特異な自然の現象が生じている地域
(4) 優れた天然林又は学術的価値を有する人工林の地域
三 当該建築物が主要な展望地から展望する場合の著しい妨げにならないものであること。
四 当該建築物が山稜線を分断する等眺望の対象に著しい支障を及ぼすものでないこと。
五 当該建築物の屋根及び壁面の色彩並びに形態がその周辺の風致又は景観と著しく不調和でないこと。
六 当該建築物の撤去に関する計画が定められており、かつ、当該建築物を撤去した後に跡地の整理を適切に行うこととされているものであること。
(割愛)
13 法第二十条第三項第一号、第二十一条第三項第一号及び第二十二条第三項第一号に掲げる行為(前各項の規定の適用を受ける工作物の新築、改築又は増築以外の仮設の工作物の新築、改築又は増築に限る。)に係る許可基準は、第一項第一号及び第六号の規定の例によるほか、次のとおりとする。
一 第一項第二号から第四号までの規定の例によること。ただし、次に掲げる行為のいずれかに該当するものについては、この限りでない。
イ 地下に設けられる工作物の新築、改築又は増築
ロ 既存の工作物の改築又は既存の工作物の建替え若しくは災害により滅失した工作物の復旧のための新築(申請に係る工作物の規模が既存の工作物の規模を超えないもの又は既存の工作物が有していた機能を維持するためやむを得ず必要最小限の規模の拡大を行うものに限る。)
ハ 学術研究その他公益上必要であり、かつ、申請に係る場所以外の場所においてはその目的を達成することができないと認められる工作物の新築、改築又は増築
二 当該工作物の外部の色彩及び形態がその周辺の風致又は景観と著しく不調和でないこと。ただし、特殊な用途の工作物については、この限りでない。
三 照明装置を用いて特別保護地区、特別地域又は海域公園地区内の森林又は河川その他の自然物について照明を行うものについては、次に掲げる基準に適合すること。ただし、学術研究その他公益上必要と認められるもの又は病害虫の防除のために行われるものは、この限りでない。
イ 色彩及び形態がその周辺の風致又は景観と著しく不調和でないこと。
ロ 期間及び時間が必要最小限であると認められるものであること。
ハ 当該照明を行う範囲が必要最小限と認められるものであること。
ニ 動光又は点滅を伴うものでないこと。
ホ 野生動植物の生息又は生育上その他の風致又は景観の維持上重大な支障を及ぼすおそれがないものであること。
ヘ 特別保護地区内の森林又は河川その他の自然物について行うものでないこと。
(以降省略)

正直になにが書いてあるのか、分かりませんよね。。。。そんな方には、こちらの表を!

上記の表は、環境省が公式に出している表です。本内容を順守することで許可申請をすることができます。
同条では、仮設の工作物や照明装置を用いる行為について、景観・自然環境への影響を考慮した許可基準が定められています。

ここでもう一つ注意したいのが、そもそも申請はできるけど許可が降りるのか?っていう話。国立公園毎に厳しく規制がされている場合があります。
栃木県内の事例では、次のような判断傾向が確認されています。
下記の場合、原則許可は下りないです。
- 植栽帯への据え付け照明
- 樹木に巻き付ける演出性の高い照明
演出性や植生への影響が大きいほど、判断は厳しくなる傾向があります。これは実際に協議を通じて、許可が降りない判断が下されました。
スポンサーリンクおわりに

自然公園法の特別地域では、外構照明も「軽微な設備」ではなく、自然環境に影響を与える行為として扱われます。自然公園法の特別区域内で計画を進める際は、建築計画と同様に、外構・照明などの工作物についても初期段階から許可要否を整理し、事前相談を行うことが重要です。
結果としてそれが、工程の遅延や計画変更を防ぐ、最も確実な方法となります。
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