梁貫通孔って耐火被覆分の寸法も必要だよね?
行政によるけど、常に危険側で計画をしておくべきだよ!
寸法の考え方を解説しよう!
はじめに
鉄骨造における梁貫通孔の設計では、耐火被覆を考慮した寸法設定が重要です。梁貫通孔の寸法は、耐火被覆分も含めて計画しなければなりません。特に鉄骨造は、耐火被覆が必要な場合がある為、設計段階での細かな調整が求められます。
本記事では、梁貫通孔の有効寸法の考え方と、耐火被覆厚の影響について、わかりやすく解説します。プロジェクトの安全性を確保するために、これらの要素をしっかりと把握しておきましょう!
スポンサーリンク第1章 梁貫通孔(スリーブ)について
本章においては、『梁貫通孔』のルールをおさらいしましょう。ご自身のプロジェクトでの、おおよその貫通孔の目安や実際の設計値を踏まえた上で見て頂くと、より理解が深まると思います。
構造別にルールの記事をまとめているよ!
今回の記事だと、鉄骨造がメインになるかな!
第2章 耐火被覆についての理解も深めよう!
耐火被覆には、複数の種類があります。当然、被覆の素材によっては厚みやコストが変わる為、そのプロジェクトに適した耐火被覆の選定が非常に重要となります。下記記事には、大きく分けて4種類の耐火被覆を解説していますので、一読してから本記事をご参照ください。
実際にスリーブ有効開口寸法は、どれくらい必要?
建築計画と構造計画は、常に同時で進めていきます。梁貫通孔を利用して設備配管計画を行う場合、スリーブの有効開口寸法には要注意です。特に耐火被覆が必要となる鉄骨造に関しては、被覆材分の厚みが不足したりなどあるあるです。その為、被覆分の余剰を見越してスリーブ径を計画する癖をつけましょう。
例えば、
Q. 呼び径100mmの塩ビ排水管を梁貫通する場合のスリーブ必要有効寸法は?
<与条件>
・呼び径100mmの管外径:114mm
・梁耐火被覆厚:吹付けロックウール35mm(建設省告示第千三百九十九号告示)
A.200mmφ程度となる。
実際には配管する時に、耐火被覆材を傷つけない為の耐火被覆養生材を入れることが多いよ!
スリーブ部分に耐火被覆が必要かどうかは、
所管行政庁によって見解が変わる場合があるよ!
おわりに
鉄骨造における梁貫通孔の寸法設定は、耐火被覆の厚みを考慮した慎重な計画が必要です。プロジェクトごとに異なる行政の基準や条件も考慮しつつ、常に安全側で設計を進めることが求められます。今回紹介した方法を実践に活かし、スムーズな設計進行を目指しましょう。