自然公園法ってなに?
自然とうまく付き合う為の規制で、
国立公園が代表的な事例です。概要を解説しましょう!
はじめに
1級建築士のSUPERREです。自然公園法に興味がある皆様へ。
自然の魅力が多い日本において、公園地域内に建築を検討する方も少なからずいらっしゃると思います。自然公園法は、日本の美しい自然環境を保護し、持続可能な利用を促進するための法律で、その規制や要件は建築計画の際に直面する重要な要素の一つです。特に大型の開発は厳しく規制され、自然を守る動きが強い為、法体系の熟知が重要です。本記事では、自然公園法で定義されている用語の整理と全体感を解説いたします。具体的な規制については別記事にて解説を行います。
自然公園法とは?
自然公園法の第一条に目的が記されております。(下記参照)要するに「優れた自然を適切に保護し、人間と自然が共生していく為の規制」と考えて頂ければと思います。
(目的)
昭和三十二年法律第百六十一号 自然公園法
第一条 この法律は、優れた自然の風景地を保護するとともに、その利用の増進を図ることにより、国民の保健、休養及び教化に資するとともに、生物の多様性の確保に寄与することを目的とする。
用語の定義
当法文には、「〇〇公園」「〇〇計画という言葉がよく出てきます。
こちらも原文を転載し、わかりやすく表にまとめました。
項目 | 定義 |
---|---|
一 自然公園 | 国立公園、国定公園、都道府県立自然公園をいう。 |
二 国立公園 | 我が国の風景を代表するに足りる傑出した自然の風景地(海域の景観地を含む。次章第六節及び第七十四条を除き、以下同じ。)であつて、環境大臣が第五条第一項の規定により指定するものをいう。 |
三 国定公園 | 国立公園に準ずる優れた自然の風景地であつて、環境大臣が第五条第二項の規定により指定するものをいう。 |
四 都道府県立自然公園 | 優れた自然の風景地であつて、都道府県が第七十二条の規定により指定するものをいう。 |
五 公園計画 | 国立公園又は国定公園の保護又は利用のための規制又は事業に関する計画をいう。 |
六 公園事業 | 公園計画に基づいて執行する事業であつて、国立公園又は国定公園の保護又は利用のための施設で政令で定めるものに関するものをいう。 |
七 生態系維持回復事業 | 公園計画に基づいて行う事業であつて、国立公園又は国定公園における生態系の維持又は回復を図るものをいう。 |
伊勢志摩国立公園に実際に行ってみた!
国立公園に行かれたご経験はありますでしょうか。上記の写真は、伊勢志摩国立公園を横山展望台から見下ろした写真となります。各国立公園には、その名の通り多種多様な生物が生息しており豊かな自然を目の当たりにすると言葉を失います。このような公園内で条件の合う土地に出会うと、設計として非常にやりがいを感じます。
スポンサーリンク環境省の自然公園法解説図を見てみよう!
前項の表は、聞き慣れない言葉が多いと思います。環境省の公式概要図を見てみましょう!よくまとまっているので、下記を見て頂くと体系的にご理解頂けると思います。
一言で言うと?
特定のエリア毎に公園(国立公園/国定公園/県立自然公園)が指定されています。
その公園地域内で「建築事業や伐採・採掘行為」を行う場合、「保護に関する計画(行為規制)」や「利用に関する計画(公園事業)」に適合させる必要があります。図に示すと下記の通りとなります。
公園は、誰が指定して管理してるの?
それでは、各公園の主体者は誰なのでしょうか。下記の表にまとめました。
公園名称 | 指定者 | 管理者(許可者) |
---|---|---|
国立公園 | 環境大臣 | 環境大臣 |
国定公園 | 環境大臣 | 都道府県知事 |
県立自然公園 | 都道府県知事 | 都道府県知事 |
日本全体でどれくらいを占めるの?
日本の国立公園や国定公園をプロットしたものが上記のマップになります。公園により範囲も位置も異なりますが、国定公園に比べて国立公園の方が、1つあたりの範囲が大きいと言えそうです。
種類別に面積比較をすると、国立公園>都道府県立自然公園>国定公園となります。また、指定者及び管理者が同一の公園が多いと言えます。
スポンサーリンク自分なりの法令集を完成させよう!
自然公園法の法令集を購入しましょう。いつでも根拠法令を出せるように手元に置いておくのがベストです。
よく使う部分には、インデックスを貼って1秒で出せるようにしておきましょう。
下記画像リンクより購入できます。
スポンサーリンクおわりに
ここまでで自然公園法についての基本情報を解説しました。美しい自然環境を守りながら事業計画を進行する為、法規の体系的な理解は非常に重要です。自然公園の指定、用語の定義、そして法の基本理解が計画段階から運営までのプロセスで役立ちます。本解説を通じて、自然と調和した宿泊施設の計画がスムーズに進むことを願っています。詳細情報は地元の環境省や自治体と連絡をとることが大切です。