高力六角ボルトの締め方がわからないです。
鉄骨造における接合部は、建物の命とも言えるよ!
2種類の締め方について解説をしていこう!
はじめに
鉄骨造の接合部に使用される高力六角ボルトは、建物の強度を左右する重要な部品です。特に、締め付け方法には注意が必要です。
本記事では、高力六角ボルトを中心に現場で使われる「ナット回転法」と「トルクコントロール法」という2つの方法について解説をしていきます。基本的な知識と手順を確認しながら、現場でのトラブルを防ぐためのポイントも押さえていきましょう!
スポンサーリンク第1章 高力ボルトってなに?
高力ボルトとは、一般的に『高力六角ボルト』と『トルシア形高力ボルト』を指します。高張力の鋼材を使用した高強度のボルトです。一般的な普通のボルトに比べて、強い締め付けが可能です。
使用済みの高力ボルトの再利用は、強度の理由から禁止されています。土木の工作物や鉄骨造など、強度を必要とする箇所に利用される部品です。
①高力六角ボルト
JIS規格に採用されている『高力六角ボルト』は、正式名称を『JIS B1186 摩擦接合用高力六角ボルト・六角ナット・平座金のセット』と言います。引張強度別に等級が分けられていて、『F10T』と『F8T』があります。
現場では、『六角ハイテンションボルト、六角ハイテン、ハイテン』なんて言ってます!
②トルシア形高力ボルト(別記事で解説!)
JIS規格外ではありますが、正式名称を『構造用トルシア形高力ボルト・六角ナット・平座金のセット』と言います。各会社製品毎に国土交通大臣の認定を取得しています。見た目に特徴があり、先端が『ピンテール』という丸い形状になっています。ピンテールを元に、締付完了の判断を行うことができます。等級は『S10T』があります。
現場では、『トルシアボルト、TC、シャーボルト』なんて言ってます!
第2章 高力六角ボルトの締付けについて
締め付けの流れ
<高力六角ボルトの施工手順>
高力ボルトを挿入→1次締め→マーキング→本締め→検査
高力六角ボルトの締め付けは、『2種類』あります!
①ナット回転法
1次締め完了後、ナットの角度を120°回して本締めを行う手法。
②トルクコントロール法
1次締め完了後、目標トルク値に応じてトルクレンチ若しくは、電動レンチを用いてナットの本締めを行う手法
つまり高力六角ボルトは、マーキングの目視により締め忘れのチェックを行うんだ!これに比べてトルシア形高力ボルトは、ピンテールの有無で本締めを確認できるんだ!
トルシアの方が、作業性がいいね!
だから一般的には、トルシア形高力ボルトの普及率が高いよ!
トルクコントロール法は、施工環境によりトルク値が影響を受ける為、トルクコントロール法の締め付けは、個体差が出やすい傾向があります。
施工環境というのは、具体的には、錆・ゴミ・気温・湿度などです。
本日のまとめです!
締付対象 | ① 高力六角ボルト (ナット回転法) | ② 高力六角ボルト (トルクコントロール法) |
---|---|---|
締付種別 | ナット回転法 | トルクコントロール法 |
本締めの要領 | 電動レンチもしくはトルクレンチで120°回転させる | 電動レンチもしくはトルクレンチで所定のトルクに回転させる |
確認方法 | 1次締め完了後、ナット回転量が120°±30°の範囲内であるか | トルク平均値の±10%であるか |
是正方法 | 不足している回転量まで追加で締める | 手動のトルクツールで追加で締める |
おわりに
今回は高力六角ボルトの2つの締め付け方法について解説しました。それぞれの方法には特徴があり、現場の状況や用途に応じて選択する必要があります。特に施工環境が影響を与えるトルクコントロール法には、より注意が必要です。ボルトの締め忘れや強度不足を防ぐために、手順を正しく理解し、現場で確実に実践することが重要です。
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