RC造の場合、梁貫通孔をどこに開けていいか分かりません。
国土交通省が、標準的なルールを定めているよ!
文字だけだと分かりずらいから絵で解説しよう!
はじめに
設計者として、RCで梁貫通を採用する際、どこに開けるべきか迷うことはありませんか?
実は、これには国土交通省が定めた基準があり、この基準に従うことで、設計ミスを防ぐことができます。しかし、文字だけでは理解しにくい部分もあるため、本記事では、イラストを交えて分かりやすく解説していきます。
第1章 大事なことは国土交通省が解説している
梁貫通と聞いておそらく初めに頼りにするのは、国土交通省の建築構造設計基準でしょう。私自身も初めは全く知りませんでした。皆さんも知っているようで実は知らないという方も多いのではないでしょうか。その他構造の解説本でも詳しく記載があると思いますが、まずはここを押さえるべきだと思います。それでは、資料の主旨から解説しましょう。
既に資料の内容を知っている方は、
基礎ができている証拠ですね!本当にすごいです。
建築構造設計基準について
国土交通省発行の梁貫通の技術的基準をご紹介する前に、関係資料のご紹介をします。大きく分けて3つの資料が存在します。
①「官庁施設の基本的性能基準」
↓①をより詳細に補足!
②「建築構造設計基準」
↓②を更に詳細に補足!
③「建築構造設計基準の資料」←ここに技術的基準記載有
それぞれが親子関係になっています。①の補足を②で行い、②の補足を③で行います。今回の主題である梁貫通の技術的記載があるのは、③です。
1点大きな前提条件としては、官庁施設を計画する際の基準ということです。ここを理解した上で、読み進めていただければと思います。次項より①から③のリンクを添付致しますので、1次情報を必ずご自身でもご確認いただくことを推奨します。
スポンサーリンク①「官庁施設の基本的性能基準」
本書の「目的」を見てみよう!
前述の通り、公共的な施設(官庁施設)の計画を前提に各技術基準が定められていることがわかります。本書は、構造に限らず全般的な概念をまとめられています。
②「建築構造設計基準」
本書の「目的」を見てみよう!
構造分野にフォーカスした内容になってきました。しかし本書では、まだ具体的な基準までは言及がございません。
③「建築構造設計基準の資料」
本書の「目的」を見てみよう!
本書では、技術的基準が記載されています。以降のより詳細な技術的基準については、別資料「日本建築学会 鉄筋コンクリート構造計算規準・同解説」参照と記載されています。
国土交通省資料の全体感が掴めたところで、
本題の梁貫通ルールについて図解していくよ!
第2章 国土交通省の「梁貫通」RC基準を図解!
大きく分けて5つのルールがあります。
「建築構造設計基準の資料」の記載を基にイラストにまとめたよ!
視覚的に理解を進めてみてね!
ルール1 柱からの離隔
ルール2 貫通孔同士の間隔
ルール3 貫通孔の位置
スポンサーリンクルール4 梁下端からの離隔
ルール5 孔径の制限
5つのルールに関する根拠資料抜粋
建築構造設計基準
建築構造設計基準の資料
上記マーカー部分基に、図解を作成しました。必ず1次情報に触れる癖をつけましょう。
スポンサーリンク第3章 住宅性能評価・表示協会の梁貫通規定
番外編として、住宅性能評価・表示協会掲出の鉄筋コンクリート造に関する設計規定も合わせてご案内させて頂きます。本資料の目的は、住宅の品質確保の促進等に関する法律(以下、品確法)に由来します。名前の通り、住宅環境に関しての品質確保を目的に作成されています。
さっきの国交省の内容とも一部重複しているね!
参考程度に見てみよう!
国土交通省の規定と比較して、
柱からの離隔制限が厳しくなっているね。
国交省は、梁せい基準。
品確法は、スパン基準だね!
おわりに
梁貫通の位置決定は、建物の安全性に直結する非常に重要な要素です。本記事では、国土交通省の「建築構造設計基準の資料」をもとに、そのルールを視覚的に解説しました。これらの基準に従うことで、設計上のミスを未然に防ぎ、安全で堅固な構造物を設計することが可能です。特に、複数の基準や資料をしっかりと理解し、適切に適用することが求められます。設計者としての責任を果たすためにも、必ず一次情報にアクセスし、正確な知識を身につけていきましょう。ありがとうございました!