
大規模店舗における階段幅員の基準を教えて下さい!

解釈と条件について、『建築物の防火避難規定の解説』をもとに解説します!
はじめに

大規模店舗における階段の寸法は、避難安全上の観点からも極めて重要な要素の一つです。特に物品販売業を営む施設においては、不特定多数の利用を前提としているため、建築基準法およびその施行令により詳細な寸法要件が定められています。
本記事では、「建築物の防火避難規定の解説」をもとに、大規模店舗における階段幅員の取り扱いや、適用基準の背景にある法的根拠について解説いたします。実務者として必要となる法令の解釈を確認しながら、計画・設計の現場で確実に活かせるよう、具体的な寸法基準と適用条件を整理してお伝えします。

第1章 階段幅員について

用途毎に求められる階段の寸法は、ご存じでしょうか。下記記事にて解説をしていますので、まずはご自身の計画で求められる寸法体系を理解してから戦いに臨みましょう!
第2章 大規模店舗における階段の幅等の取り扱いについて

物品販売業を営む店舗で、床面積の合計が1,500㎡を超える場合の階段や踊場の幅、階段の蹴上げおよび踏面の寸法は、建築基準法施行令第23条に基づいて規定されています。
ただし、同条第1項の表中(2)の適用となる階段は、客用のものに限るとされています。
(階段及びその踊場の幅並びに階段の蹴上げ及び踏面の寸法)
第二十三条 階段及びその踊場の幅並びに階段の蹴上げ及び踏面の寸法は、次の表によらなければならない。ただし、屋外階段の幅は、第百二十条又は第百二十一条の規定による直通階段にあつては九十センチメートル以上、その他のものにあつては六十センチメートル以上、住宅の階段(共同住宅の共用の階段を除く。)の蹴上げは二十三センチメートル以下、踏面は十五センチメートル以上とすることができる。
階段の種別 階段及びその踊場の幅(㎝) 蹴上げの寸法(㎝) 踏面の寸法(㎝) (1)小学校(義務教育学校の前期課程を含む。)における児童用のもの 140以上 16以下 26以上 (2)中学校(義務教育学校の後期課程を含む。)、高等学校若しくは中等教育学校における生徒用のもの又は物品販売業(物品加工修理業を含む。第130条の5の3を除き、以下同じ。)を営む店舗で床面積の合計が1,500㎡を超えるもの、劇場、映画館、演芸場、観覧場、公会堂若しくは集会場における客用のもの 140以上 18以下 26以上 (3)直上階の居室の床面積の合計が二百平方メートルを超える地上階又は居室の床面積の合計が百平方メートルを超える地階若しくは地下工作物内におけるもの 120以上 20以下 24以上 ⑴から⑶までに掲げる階段以外のもの 75以上 22以下 21以上 2 回り階段の部分における踏面の寸法は、踏面の狭い方の端から三十センチメートルの位置において測るものとする。
3 階段及びその踊場に手すり及び階段の昇降を安全に行うための設備でその高さが五十センチメートル以下のもの(以下この項において「手すり等」という。)が設けられた場合における第一項の階段及びその踊場の幅は、手すり等の幅が十センチメートルを限度として、ないものとみなして算定する。
4 第一項の規定は、同項の規定に適合する階段と同等以上に昇降を安全に行うことができるものとして国土交通大臣が定めた構造方法を用いる階段については、適用しない。
階段幅の適用基準

複数階の物品販売店の場合、売場の配置計画によっては階段の制約が異なります。2階建ての店舗を事例に解説をいたします。
2階に売場がない場合

ケース | 適用条文 | 必要な階段幅 |
---|---|---|
2階に売場がない場合 | 建築基準法施行令第23条第1項の表中(2)を適用しない | 1.2m以上 |
2階に売場がある場合

ケース | 適用条文 | 必要な階段幅 |
---|---|---|
2階に売場がある場合 | 建築基準法施行令第23条第1項の表中(2)を適用する | 1.4m以上 |
大規模店舗における階段の取り扱い

物品販売業を営む店舗の階段構造は、不特定多数の利用を想定し、床面積1,500㎡超の大規模店舗に対して制限が設けられています。これにより、対象となる階段は客用に限られます。

ところで、物品販売業を営む店舗の床面積1500㎡の算定基準について、ご存じでしょうか。実は、駐車場部分の面積は除外できます。下記記事にて面積算定のルールを解説しています。確実に理解した上で、計画しましょう。
第3章 「建築物の防火避難規定の解説」を手に入れよう!


建築基準法や国土交通省の告示や通達を見ても、
本記事に関する情報は、載ってニャイよね?

そうなんだよ。『建築物の防火避難規定の解説』にしか載っていないんだ。
つまりこれがないと、設計が行き詰まってしまう場合があるんだ。
設計者は必ず購入すべき本です!少し高いけど、ずっと使えるから持っておくべきだよ!
参考)階段に関連する重要な法規に関する関連記事

屋外階段ってどういう寸法と構造が必要なの?という方は、下記の記事を読んでください!

階段を計画するのに一体どれくらいのスペースが必要なの??下記記事では、簡易試算ができます。上記の階段寸法を入力して、平面的にどれくらいの大きさが必要になるか?把握しよう!


階段に関連する重要な記事を下記にまとめています。少しでも気になる方は、チェックしてみて下さい!
おわりに

本記事では、大規模店舗における階段の幅員に関する規定について、関連法令と実務上の留意点を整理して解説いたしました。特に「建築物の防火避難規定の解説」にしか記載のない情報も多く、設計を進める上で不可欠な参考資料であることがお分かりいただけたかと存じます。
大規模店舗は多数の利用者を想定するため、階段の設計においては安全性と法的適合性の両立が求められます。施行令の該当条文だけでなく、通達やガイドラインの内容を理解し、より確実な設計を目指していくことが重要です。
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