
沖縄のリゾートホテルって海沿いの新築ラグジュアリーホテルが多いイメージだけど、ここはちょっと雰囲気が違うよね。山の中にある感じ。

実はリブランドした既存活用のホテルなんだ!設計思想とホテルがどう計画されているかを写真を元に解説していきます。
はじめに

ホテルは、ただ新しく豪華であれば良いわけではありません。特に地方リゾートホテルでは、既存建物をどう再編集し、宿泊体験へ転換するかも重要なテーマになります。今回取り上げる ANAクラウンプラザリゾート沖縄うるまヒルズ は、沖縄本島中部・うるまエリアの高台に位置するリゾートホテルです。
この記事では写真をもとに、
- リゾートホテルの断面ゾーニング
- 共用部と客室内部の写真解説
を、建築的に読み解いていきます。

第1章 ANAクラウンプラザリゾート沖縄うるまヒルズについて

『ANAクラウンプラザリゾート沖縄うるまヒルズ』は、沖縄県うるま市石川山城エリアの高台に位置するリゾートホテルです。このホテルは、もともと営業していた「アンサ沖縄リゾート」を、IHG ANA Hotels Group Japanがリブランドする形で開業したホテルです。2025年3月1日にANAクラウンプラザブランドとしてリニューアルオープンしました。

つまりこのホテルは、新築ホテルではなく、
- 既存ホテル建築を活用
- ブランド価値を再編集
- 共用部や運営体験を更新
をすることで成立している、“再生型ホテル”の事例でもあります。
近年の沖縄では、新築ラグジュアリーだけでなく、
- 既存ホテルの取得
- 改修による再活用
- 外資・大手ブランドへの転換
が急速に増えています。このホテルも、その流れの中に位置づけられます。
一方で建築全体を見ると、完全新築ホテルとは異なり、
- 比較的ゆとりある共用部
- 大きめのロビー空間
- リゾートホテルらしいスケール感
など、従来型リゾートホテルの構成が色濃く残っています。ここが非常に面白いポイントです。
スポンサーリンク参考)ANAクラウンプラザリゾート沖縄うるまヒルズの概要について
<運営情報>
運営:IHG ANA Hotels Group Japan
前身ホテル:アンサ沖縄リゾート
客室数:123室
リブランド開業:2025年3月1日
所在地:沖縄県うるま市石川山城1468
安くても1泊1万円くらいはかかる!

<シミュレーション条件>
人数:大人1人
予約サイト:公式HP
プラン:素泊まり(食事なし)
予約料金:10,165円
第1章|このホテルは“観光拠点”ではなく“滞在環境”として計画されている

ANAクラウンプラザリゾート沖縄うるまヒルズで最初に注目したいのは、このホテルが“海に近づく”のではなく、高台から沖縄を俯瞰する構成になっていることです。沖縄リゾートホテルでは、海沿い立地が重視されることが多いです。
しかしこのホテルは、
- 高低差
- 遠景
- 静かな環境
を価値化しています。つまり建築の役割が、
- 客室を提供する
- 景色を切り取る
- 滞在中の静けさを演出する
という方向に整理されています。ここが都市型ホテルとの大きな違いです。
スポンサーリンク第2章|断面ゾーニングに見る“王道リゾートホテル構成”

ホテル全体の構成を整理すると、概ね以下のように読み取れます。
| フロア | 主用途 | 役割 |
|---|---|---|
| 低層 | エントランス・ロビー・飲食 | 迎賓機能 |
| 中層 | 客室 | 宿泊機能 |
| 外部空間 | プール・テラス | 滞在価値 |
| 上層 | 上位客室 | 付加価値 |

この断面ゾーニングは、「低層=滞在機能」「中層=標準客室」「上層=高単価客室」を非常に明快に整理した、王道型リゾートホテル構成です。
特に特徴的なのは、地下1階へ大浴場・サウナ・プール・フィットネスなどの長時間滞在機能を集約している点です。通常、プールや大浴場は上層階へ配置されるケースもありますが、このホテルでは地下にまとめることで、客室階の静粛性や収益床効率を優先していることが読み取れます。
また、1階にはチェックイン・カフェ・ラウンジ・宴会場・会議室などを集約しており、“都市型ホテル”と“リゾートホテル”の中間のような構成になっています。宿泊だけでなく、宴会・法人利用・地域利用も想定した計画と言えるでしょう。
客室階は、2〜5階を標準客室、最上階6階をスイート客室として明確に階層分けしています。これは、
- 高層階ほど眺望価値を高める
- 客単価を引き上げる
- 上位客室の特別感を演出する
というホテル計画の基本に忠実な構成です。全体として、「収益性」「運営効率」「滞在体験」を非常にバランス良く整理した断面ゾーニングになっています。
スポンサーリンクエントランス周り




共用部









客室内部














おわりに

ANAクラウンプラザリゾート沖縄うるまヒルズは、最新鋭のラグジュアリーホテルではありません。しかし建築として見ると、
- 既存ホテルを活かした再生計画
- 高台立地を活かした配置計画
- 明快な断面ゾーニング
- 共用部へしっかり投資した空間構成
など、“再生型リゾートホテル”として非常に学びの多い事例です。特に、
- ブランド再編集による価値向上
- 景色を価値化する設計
- 滞在型共用部の構成
は、今後のホテル再生計画を考える上でも非常に参考になると感じます。
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