ホテルってなんでワクワクするの?
もしかしたら寸法や建築の納まりにヒントがあるかもね!
ナインアワーズに泊まった時の写真とスケッチを紹介しよう!
はじめに
ホテルに泊まると、ちょっとしたワクワク感を感じませんか?そのワクワク感には、もしかすると寸法や建築の納まりに隠れた秘密があるかもしれません。
今回は、私が宿泊した『ナインアワーズ大手町』のスケッチを交えながら、その魅力を紐解いていきたいと思います。建築士の視点でホテルのデザインや構成をじっくり見ていきましょう!
スポンサーリンク第1章 ナインアワーズについて
株式会社ナインアワーズ / nine hours Inc.の簡易宿所
『ナインアワーズ』は、株式会社ナインアワーズが運営する2つ星ホテルのブランドであり、スタイリッシュなカプセルホテルとして認知されています。
9h(ナインアワーズ)ってどういう意味?
「ナインアワーズ」はその名の通り、9時間を指します。
<ナインアワーズの定義>
1時間(汗を洗い流す)+7時間(眠る)+1時間(身支度)=9時間(ナインアワーズ)
<ナインアワーズのコンセプト>
まさに機能的で最低限睡眠を取りたいという現代社会のニーズに応えるような施設です。加えて、従来のカプセルホテルのイメージを払拭させるようなシンプルでスタイリッシュな空間に仕上げられており、価格以上の上質さを感じることができます。
スポンサーリンクホテル ナインアワーズ大手町について
※ナインアワーズ大手町は、現在は閉業しています。
最寄駅の「竹橋」から、約150mで到着可能です。上記の通り、1棟丸ごと施設となっています。日本を象徴する皇居や靖国神社など、皇居ランナーを始め多くの観光客やビジネスマンの利用者がいます。
客室数は全129室です。宿泊以外の利用方法としては、ランニングステーションとしての利用、シューズロッカー、コワーキングスペースとしての利用をすることが可能です。
ホテルのチェックインは、1階で行います。その後、エレベーターもしくは中央の吹き抜け階段を使って各階にアクセスします。フロア毎に性別を分けることで安全な宿泊体験を提供しているようです。上記は簡易的に案内図を作成しましたので、参考までにご覧ください。
スポンサーリンク参考)ホテル ナインアワーズ大手町の概要と設計者について
<運営情報>
株式会社ナインアワーズ/株式会社コスモスイニシア
部屋数 129室(男性76室,女性53室)
開業:2018年3月30日
最寄駅:東京メトロ東西線「竹橋」駅
所在地:東京都千代田区神田錦町3-11-15
<建築情報>
建築設計:平田晃久建築設計事務所
内装設計:柴田文江(スリーピングポッド)
サイン計画:廣村デザイン事務所
この設計体制で各所のナインアワーズは計画されているよ!
サイン計画をした廣村正彰氏は、2020年の東京オリンピックのスポーツのピクトグラムを手掛けた、グラフィックデザインの巨匠だよ!
安くても1泊2,000円くらいで泊まれる!
<実際の宿泊条件>
日程:2021/08/27-2021/08/28
人数:大人1人
予約サイト:公式HP
プラン:素泊まり
予約料金:1,710円
第2章 スリーピングポッドとホテル内部をご紹介します!
スリーピングポッドとは?
『スリーピングポッド』とは、カプセル状の寝室空間を指します。これがナインアワーズの代名詞とも言えるプロダクトであり、その形状からは近未来を感じます。素材は、繊維強化プラスチックでできています。
上記が私が宿泊した客室(スリーピングポッド)です。おおよその目寸で空間を読み取り、スケッチに起こしています。私の独自のスケール感で書き上げた図面ですので、正しい寸法では御座いません。ご了承ください。客室間口850mm程度と非常にコンパクトでありながらも、寝返りも打てるくらいの、最適な最小限の空間になっていました。
中に入ると角のない滑らかな空間に包まれる感覚を覚えました。まるで蛹になったような気持ちで眠ることができます。
このスリーピングポッドが所狭しと並ぶと、宇宙船に乗っている気分になります。
内部照明は、明度調整が可能でコンセントもあります。最低限のニッチもある為、小物もおけます。ですが、飲食や大きな荷物は禁止でロッカーに預けてから眠るようなオペレーションとなります。以降は、共用部と客室専有部をそれぞれ写真でご紹介します。
スポンサーリンク共用部
外観
出入口
スポンサーリンクフロア案内
スポンサーリンクシャワーブース
スポンサーリンク第3章 なぜホテルをスケッチするの?
建築はアートと異なり、寸法と素材の情報を持ちます。空間を分解していくと、全て寸法で成立している。デイユースな寸法からラグジュアリーな寸法まで、体感として寸法を読み取ることは、建築士にとって非常に重要なことだと考えます。
飲み会終わり26時に客室スケッチ。これが私の原体験。
私はもともと頻繁に手書きをするタイプの設計士ではありませんでした。
しかし、尊敬する上司と仕事をする中で手で書くことの重要性を学びました。
当時の上司とのやりとりを下記に記します。
設計者は、『スケール感』が大切なんだ。
図面ばかり見るのもいいけど、
『空間を読み取る力』を意識的に上げることで設計の質がレベルアップするんだ。
先輩はどうやって身につけましたか?
私は、今まで宿泊したホテルの客室は全てスケッチして、寸法を自分のものにしている。
だから0から客室を組み立てるときも、自然とペンが進むんだ。
そんなに絵も上手ではないし、できるかな。。。
綺麗なスケッチを描くことが目的ではない。
単線でいい。ただし、自分の体感寸法でスケッチするんだ。
もちろんメジャーでの答え合わせもすること。
今日は出張なんだから、試しに今日宿泊するホテルを描いてみ!
今夜は接待だから、戻りが深夜になりますけどw
ああ!恐らくホテルに戻るのは26時過ぎになるだろう。
でもこれが設計力の源となり、施主の信頼に繋がるんだ。
仕事も円滑に進むよ!
皆さんもやりましょう!とは言いません。しかし、日常の中で少し意識を変えることで、何でも学びに変えられるということを実感した出来事でした。
スポンサーリンクおわりに
今回は、ナインアワーズ大手町の宿泊体験を通じて、カプセルホテルのデザインや空間の魅力についてお伝えしました。建物の細かなデザインや寸法の工夫には、多くの人を魅了する理由が隠されているのかもしれません。ぜひ、次回の旅では、少しだけ建物や空間のデザインに目を向けてみてください。それが、旅をもっと楽しくするきっかけになるかもしれません!