
グローバルエージェンツのホテルって、若者に共感されるホテルをたくさん企画しているよね。普通のビジネスホテルと何が違うんだろう。

設計思想とホテルがどう計画されているかを写真を元に解説していきます。
はじめに

ホテルは、ただ泊まるための箱ではありません。特に都市型ホテルでは、客室そのものよりも、街とのつながり方や共用部の体験設計に建築の思想が表れます。今回取り上げる沖縄のESTINATE HOTEL 沖縄那覇は、旅人とローカルをつなぐ“交流型ホテル”として非常に示唆に富んだ事例です。
この記事では、写真をもとに、1階共用部の空間構成・フロアゾーニングの考え方・客室と共用部の面積配分を、建築的に読み解いていきます。

第1章 ESTINATE HOTEL沖縄那覇について

『ESTINATE HOTEL』は、沖縄・那覇を拠点に展開されるライフスタイル型ホテルブランドです。“旅は不完全なほど楽しい”という思想を軸に、宿泊機能に加えてコミュニティ形成や交流体験を重視した空間設計が特徴で、観光都市における新しい滞在価値を提供するポジションに位置づけられています。


ESTINATE HOTEL 沖縄那覇は、ゆいレール美栄橋駅から徒歩圏内に立地し、那覇空港からのアクセスも良好なロケーションに位置します。那覇市内の中心エリアである松山にありながら、観光拠点としての利便性も高く、国内外の旅行者からワーケーション利用まで幅広く対応可能です。
客室はシンプルかつコンパクトな設計をベースにしながらも、館内のラウンジやレストランと連動した“滞在体験全体”で価値を提供する構成が特徴です。1階のパブリックスペースは、宿泊者とローカルが自然に交わるコミュニティハブとして計画されており、単なる宿泊機能に留まらない、交流を促す空間構成が印象的です。
スポンサーリンク参考)ESTINATE HOTEL 沖縄那覇の概要について
<運営情報>
運営:株式会社グローバルエージェンツ
客室数:79室
開業:2015年
最寄駅:ゆいレール 美栄橋駅(徒歩約5分)
所在地:〒900-0032 沖縄県那覇市松山2丁目3-11
安くても1泊1万円くらいはかかる!

<シミュレーション条件>
人数:大人1人
予約サイト:公式HP
プラン:素泊まり(食事なし)
予約料金:10,580円
1|このホテルは“宿泊施設”ではなく都市のハブである

エスティネートホテル那覇で最初に注目したいのは、このホテルが街の中の結節点として計画されていることです。一般的なホテルでは、建物に入るとすぐにフロントがあり、そのまま客室階へ向かう導線が主軸になります。一方でこのホテルは、1階にラウンジ・バー・レストランが大きく開かれ、外部からも入りやすい構成になっています。


つまり建築の役割が、宿泊者を受け入れる・街の人を呼び込む・情報と交流を生むという多層構造になっています。ここが非常に面白いポイントです。
スポンサーリンク2|フロアゾーニングに見る“収益と体験”の設計思想

ホテルのフロアゾーニングを整理すると、概ね次のように読み取れます。
| フロア | 主用途 | 役割 |
|---|---|---|
| 1F | フロント・バー・ラウンジ・飲食 | 街との接点/交流創出 |
| 2F-9F | 客室 | 宿泊機能 |
| 10F | 客室・ワーキングラウンジ・キッチンラウンジ | 宿泊機能+交流創出 |
このゾーニングのポイントは、最も価値の高い1階を共用機能を壁を設けずに一体的に計画をしていることです。通常、都市型ホテルでは1階もできるだけ収益床に寄せたくなりますので、それぞれテナント区画を設けたり、壁で仕切られています。しかしエスティネートはあえて1階を共用体験に振っています。これは単純な坪効率ではなく、滞在体験全体のLTV最大化を狙った配置です。
スポンサーリンク1階エントランス

写真を見ると、受付カウンターと飲食機能が自然につながっています。ここではフロントが単なる受付ではなく、コミュニケーションの起点として機能しています。

建築的には、チェックイン待機・飲食・打ち合わせ・ローカル交流という用途が同一空間内で重ねられています。用途分離ではなく、用途融合。これは面積効率の面でも非常に優秀です。
10階コミュニティラウンジ




10階ワーキングラウンジ



3|客室はコンパクト、その代わり共用部に投資
客室自体は比較的コンパクトです。ただし、ここは弱みではありません。むしろゾーニング戦略として非常に明快です。ビジネスホテルよりも狭くコンパクトに作られていました。特に執務スペースも一切ないのは、ラウンジの利用率を上げるような意図も垣間見れました。
滞在価値を、客室面積・共用部体験・飲食・街との接続に分散させているため、客室を必要以上に広げる必要がないのです。この考え方は、限られた延床の中で価値を最大化する計画の視点として非常に参考になります。









おわりに

エスティネートホテル那覇は、客室だけでなく、1階共用部とフロアゾーニングそのものに思想が詰まったホテルです。特に、1階を交流の核にする配置・客室階との明快なゾーン分離・収益と体験を両立する床配分は、建築として非常に学びの大きい事例です。
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