
自動ドア計画の勘所ってありますか?

民間資料は、文字が多くて疲れちゃうよね。。。
普段特に気にする部分を解説しよう!
はじめに

自動ドアは、現代の建築において重要な要素の一つです。特に商業施設や公共施設など、多くの人が利用する場面では、安全性や使い勝手が非常に重要です。しかし、自動ドアの設計には基準や規制が複雑で、すべてを理解するのは容易ではありません。
本記事では、建築士として押さえておくべき自動ドア設計のポイントを、基準や規制に基づいてわかりやすく解説します。特に、防護柵や安全対策について、設計者が知っておくべき注意点に焦点を当てています。

第1章 自動ドアの基準について
2017年にJISが制定!

自動ドアは、高齢化社会において重要性が再認識されています。2017年3月には、自動ドアに関して「JIS A 4722 歩行者用自動ドアセット-安全性」が制定されました。
JISというと、テキストが多く基準が分かりにくい資料が多い印象です。

個人的に自動ドアの規制を確認する際は、
下記の2つの資料を確認することが多いです。
<自動ドアの主要規制>
1 全国自動ドア産業振興会
→ 多重スライド(横引き)式自動ドアの安全基準要約
2 全国自動ドア協会
→ 歩行者用自動ドアセット<引き戸>安全ガイドブック
本記事の目的
上記でご紹介をしました自動ドアの規定は、ページ数が多く全部に目を通すこと自体にハードルを感じます。

そこで!!本記事では、計画段階によく見る部分を建築士自ら絞り、粒度と根拠を意識した解説としています。では解説をしていきます。

ぜひ『JIS』と『自動ドア協会』の文書と併用して、
お目通し頂けますと間違いがないと思います!
第2章 適用範囲とドア形式について

全国自動ドア産業振興会/全国自動ドア協会資料の規制抜粋
適用範囲:スライド式自動ドアの総重量
・片引きの場合:150kg未満
・引分けの場合:300kg(150kg×2枚)未満
私が自主的に気をつけていること!

自動ドアは『引分け形式』が主流に!!
安全性の観点より、「開き形式」は採用しません。
『自動ドア協会の安全ガイドライン』や『多重スライド(横引き)式自動ドアの安全基準要約』の適用範囲を超える場合は、メーカーを入れて安全性について個別検討をします。
やむを得ず「自動開きドア」を採用する場合は、、、

開閉軌跡を床面にサインで表示をすることや、出入り口を別々に設けるなど、検討することもあります。

自動回転ドアについて

自動回転ドアは、過去の事故事例を踏まえ、採用しない事業者も増えているね!安全性の観点より、街中でもあまり見なくなってきているよ。
第3章 ドアの形状・寸法について

全国自動ドア産業振興会/全国自動ドア協会資料の規制抜粋
・通行部有効寸法:W=900mm 以上
・引き残し(指詰め事故防止):30mm以上
私が自主的に気をつけていること!

車椅子利用者に配慮
基準の通りW=900mmを最低寸法とし、可能な限り間口を広く取る。
『方立』と『枠』による怪我に配慮
・框ドアの縦方立は面取りをする。 (1.5Rなど)
第4章 警告表示について

全国自動ドア産業振興会/全国自動ドア協会資料の規制抜粋

・自動ドア表示や注意喚起マークを掲示する。
・戸袋側のガラスには、衝突防止マークを掲示する。
・駆け込み防止の観点より、障子部も衝突防止マークを掲示する。
第5章 開閉制限について

全国自動ドア産業振興会/全国自動ドア協会資料の規制抜粋
オフィスの場合

開閉速度:開→500mm/s以下、閉→350mm/s以下
オープンタイム:1〜5秒
病院・公共施設等(高齢者/子供連れ/車椅子利用者など)の場合

開閉速度:開→400mm/s以下、閉→250mm/s以下
オープンタイム:可能な限り長時間
第6章 センサー制御について

全国自動ドア産業振興会/全国自動ドア協会資料の規制抜粋


<補助センサーの高さ>
全国自動ドア協会:200mm~700mm
全国自動ドア産業振興会:500mm~700mm
私が自主的に気をつけていること!

隙間からの開放に注意!
わずかな隙間から障害物を差し込んで開放できる場合があります。セキュリティが求められる場面は特に注意が必要です。
センサーの死角に注意!
計画の状況によっては、センサーに死角が発生する場合があります。必ずメーカーにセンサーのシュミレーションをしてもらい、ビジュアルとして視覚が発生していないかを確認してください。
補助センサーには、水平ビームセンサーを!
補助センサーには、水平ビームセンサー(投光・受光型)を設置します。水平ビームセンサーの設置が難しい場合は、超音波センサーを扉召合せ部分に設置をします。
不特定多数の方が訪れる施設の場合


補助センサーを2段構えで計画することが多いです。
水平ビームセンサー(投光・受光型)は、床上150mmと600mmが一般的です。

なぜ『150mm』に設置するんですか?

ベビーカーを検知する為です!

150〜200mmであれば問題ないですよ!
第6章 防護柵について

全国自動ドア産業振興会/全国自動ドア協会資料の規制抜粋
・防護柵は、床面から1,000mm以上とすること。
・防護柵の幅は、引き込まれるドアの戸尻側は、ドアより30mm以上長くする。 ドアの戸先側は、閉鎖したドアの戸尻側と一致させる。
私が自主的に気をつけていること!

不特定多数が利用する場合


・エントランス等の不特定多数が利用する場合は、進入防止対策として防護柵を設置することがあります。戸袋側にH=850mm程度です。
・防護柵と自動ドアの縦枠間の寸法は、50mm程度を確保しています。特に子供の手に絡む事故を防ぐことが目的です。
・防護柵のパネル材は、極力面材(アクリルや強化ガラス)を採用し、子供がフレームを足がかりとして遊べないようにしています。
・柵自体に腰掛けないような形状にしています。

防護柵は、H=1,300mmにしたこともあるよ!

腰掛けたり、乗ったり、手すりとして寄りかかったり、事故の元になりやすい性質も持ち合わせているんだ!その為、いっそのこと高めに設定することもあるよ!
おわりに

自動ドアの設計は、ただ見た目や使い勝手だけでなく、安全性や法的な基準をしっかりと理解し、適切に反映させることが重要です。特に、不特定多数が利用する施設では、事故を未然に防ぐための配慮が欠かせません。今回紹介したポイントを参考に、安全で使いやすい自動ドア設計を心がけてください。自動ドア協会やJISのガイドラインを活用しながら、最適な設計を実現しましょう。
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