大規模な店舗を設計する際、複数の避難階を持つ場合の避難階段の注意点を教えてください。
避難階段設置条件や複数の避難階がある場合の避難階段の注意点について、『建築基準法』と『建築物の防火避難規定の解説』を基にわかりやすく解説しよう!
はじめに
大規模な店舗の設計を進める中で、避難階段の配置や複数の避難階の対応について、疑問に思ったことはありませんか?特に、防火避難規定に基づく設計は、多くの建築士にとって重要な課題です。
本記事では、『建築基準法』と『建築物の防火避難規定の解説』をもとに、複数の避難階を有する店舗における避難階段の設置条件や注意点をわかりやすく解説します。これにより、安全で法令に準拠した設計を実現するためのポイントを理解できるでしょう。
スポンサーリンク第1章 避難階段が必要な店舗って?
避難階段の設置が必要な店舗とは?
下記条件のいずれかに該当する場合、『避難階段』を設置する必要があります。
・5階建て以上の建築物
・地下2階以下の建築物
・3階以上の階を物品販売店舗とした建築物
つまり3階以上の階に店舗をもつ建物って事だね!
そもそも『避難階段』ってなんだっけ?免除できるんだっけ?と言う方は、下記の記事を必ずチェックしてください!
『大規模店舗における2以上の直通階段』の『1500㎡の面積の取り方』について、下記記事では解説をしているよ!面積の大きい計画の場合は、必ずチェックしてね!
『店舗を含む複合用途の面積算定』の解釈について、下記記事にて解説をしています。
是非読んでみてください!
第2章 物品販売業を営む店舗における避難階段等の幅について
大規模店舗で避難階が複数ある場合の屋外への出口の幅について
物品販売業を営む店舗(床面積の合計が1,500㎡を超えるもの)で避難階が複数ある場合、災害時に避難経路が錯綜し、混乱するおそれがございます。そのため、原則として直通階段を最下階の避難階まで設けることが望ましく、避難階段等の場合は、最下階の避難階で建築基準法施行令第125条第3項に定める屋外への出口の幅を確保することが望ましいとされます。
スポンサーリンク(屋外への出口)
第百二十五条 避難階においては、階段から屋外への出口の一に至る歩行距離は第百二十条に規定する数値以下と、居室(避難上有効な開口部を有するものを除く。)の各部分から屋外への出口の一に至る歩行距離は同条に規定する数値の二倍以下としなければならない。
2 劇場、映画館、演芸場、観覧場、公会堂又は集会場の客用に供する屋外への出口の戸は、内開きとしてはならない。
3 物品販売業を営む店舗の避難階に設ける屋外への出口の幅の合計は、床面積が最大の階における床面積百平方メートルにつき六十センチメートルの割合で計算した数値以上としなければならない。
4 前条第三項の規定は、前項の場合に準用する。
ただし、最下階以外の避難階において、避難階段等の出口が直接屋外に面している場合、または当該出入口に近接して屋外への出口がある場合は、その出口の幅を算入することができます。
また、避難階における屋外への出口に通ずる経路は、来客者が日常的に使用する場所に設けることが望ましいです。ただし、倉庫や事務所の部分を経由して避難を計画する場合は、避難時の通路を確保するため、通路と他の部分を区分する形状にする必要がございます。
例えば、上図の3階部分では、避難階段を使って最下階にある屋外への出口に向かう際、3階の階段出入口付近で混乱が生じる場合が想定されます。このようなことから、避難流動が交錯しない経路を確保し、最下階の避難階まで避難できる階段の幅および屋外への出口の幅を確保することが望ましいと考えられます。
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建築基準法や国土交通省の告示や通達を見ても、
本記事に関する情報は、載ってニャイよね?
そうなんだよ。『建築物の防火避難規定の解説』にしか載っていないんだ。
つまりこれがないと、設計が行き詰まってしまう場合があるんだ。
設計者は必ず購入すべき本です!少し高いけど、ずっと使えるから持っておくべきだよ!
おわりに
複数の避難階がある店舗における避難階段の設計は、建築基準法や防火避難規定に基づいた慎重な計画が必要です。本記事で解説したポイントを押さえておくことで、避難経路の安全性を確保し、トラブルを未然に防ぐことができます。今後の設計業務において、これらの知識を活かし、安心して利用できる店舗づくりに役立ててください。
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