
内装制限が必要な建築物で、リビングダイニングのような一部火器使用のある室は、室内全てが内装制限の対象ですか?

解釈と条件について、『建築物の防火避難規定の解説』をもとに解説します!
はじめに

建築設計において「内装制限」は避けて通れない重要なルールのひとつです。しかし、ダイニング・キッチンのように火器を使用する部分とそうでない部分が一体となっている場合、そのすべてに厳しい内装制限が適用されるのでしょうか?また、特定の条件を満たせば緩和されることもあるのでしょうか?
本記事では、防火避難規定の観点から 不燃垂れ壁による区画 や 火器使用部分の内装制限の考え方 をわかりやすく解説します。実務で混乱しがちなポイントを整理しながら、スムーズな設計に役立つ知識を身につけていきましょう。

第1章 内装制限って?


内装制限とは、火災時の被害拡大を防ぐため、壁や天井に不燃性の高い材料を使用することを義務付ける規制です。

内装制限をかけることで、火災の急激な拡大を防ぐことができます。これにより煙の発生を抑制させ、結果として安全な避難経路を確保することが可能です。
内装制限の対象となる建築物って?

具体的な条件や免除規定については、下記記事にて解説をしています。不安のある方は、一読の上本記事をお読みください。
第2章 調理室等とその他の部分が一体となる室の内装制限

ダイニング・キッチンのように、火を使用する部分とその他の部分が一体となる室については、天井から50cm以上下方に突出し、かつ、不燃材料で作られるか、または覆われたたれ壁などで区画されている場合を除き、その室全体が内装制限の対象となります。また、従来義務付けられていた防火材料各種の認定シールは、現在は不要となっています。

例えば、上図のように厨房と食堂の間に一定のたれ壁を設けた場合、内装制限を受けるのは厨房部分のみとなります。

火気を使用する部分とその他の部分をたれ壁などで区画することで、初期火災の拡大を防ぎ、火源の影響範囲を一定の数値により制限することができます。
第3章 「建築物の防火避難規定の解説」を手に入れよう!


建築基準法や国土交通省の告示や通達を見ても、
本記事に関する情報は、載ってニャイよね?

そうなんだよ。『建築物の防火避難規定の解説』にしか載っていないんだ。
つまりこれがないと、設計が行き詰まってしまう場合があるんだ。
設計者は必ず購入すべき本です!少し高いけど、ずっと使えるから持っておくべきだよ!
おわりに

内装制限は、火災の被害を抑え、安全な避難環境を確保するために欠かせない規定です。しかし、その適用範囲や緩和条件については 「建築物の防火避難規定の解説」 などの専門書を参照しなければ正確に判断できない場面も少なくありません。
本記事を通じて、火器使用部分とそれ以外の部分を区画することで 内装制限が緩和されるケース を理解し、実務に活かしていただければ幸いです。建築設計の知識を深め、安全で快適な空間づくりを目指していきましょう!
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