
IHコンロのような電磁誘導加熱式調理器を設置する場合、内装制限の対象になりますか?

解釈と条件について、『建築物の防火避難規定の解説』をもとに解説します!
はじめに

建築の世界において「火を使う設備」と聞くと、ガスコンロや暖炉を思い浮かべるかもしれません。しかし、IHコンロのような電磁誘導加熱式調理器はどうでしょうか?「火を使わないから関係ない」と思ってしまいがちですが、実は建築基準法では、特定の条件下で内装制限の対象になる可能性があります。
本記事では、IHコンロを含む火を使用する設備や器具の内装制限について、『建築物の防火避難規定の解説』をもとに詳しく解説します。設計時に誤った判断をしないためにも、正しい知識を身につけましょう!

第1章 内装制限って?


内装制限とは、火災時の被害拡大を防ぐため、壁や天井に不燃性の高い材料を使用することを義務付ける規制です。

内装制限をかけることで、火災の急激な拡大を防ぐことができます。これにより煙の発生を抑制させ、結果として安全な避難経路を確保することが可能です。
内装制限の対象となる建築物って?

具体的な条件や免除規定については、下記記事にて解説をしています。不安のある方は、一読の上本記事をお読みください。
第2章 電磁誘導加熱式調理器等の内装制限について

電磁誘導加熱式調理器は、電磁誘導によって加熱調理を行うものであり、火を使用しないため、建築基準法第35条の2に規定される「その他火を使用する設備若しくは器具」には、原則として該当しません。
(特殊建築物等の内装)
第三十五条の二 別表第一(い)欄に掲げる用途に供する特殊建築物、階数が三以上である建築物、政令で定める窓その他の開口部を有しない居室を有する建築物、延べ面積が千平方メートルをこえる建築物又は建築物の調理室、浴室その他の室でかまど、こんろその他火を使用する設備若しくは器具を設けたものは、政令で定めるものを除き、政令で定める技術的基準に従つて、その壁及び天井(天井のない場合においては、屋根)の室内に面する部分の仕上げを防火上支障がないようにしなければならない。

また、季節的にストーブを使用したり、一時的にコンロを用いたりする室についても、内装制限の対象とはなりません。ただし、暖炉や炉などを建築物の一部として設けた室については、使用が季節的であっても内装制限の対象となります。
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電磁誘導加熱式調理器は火を使用しないため、原則として内装制限は適用されませんが、消防法や火災予防条例などにより、調理器と周囲との離隔距離などについて規制があるため、注意が必要です。

また、暖炉など、室内を暖める目的で設置された固定された火源を有する室は、火気使用室として内装制限の対象となります。ただし、装飾目的の暖炉で火を使用しないものについては、この限りではありません。
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建築基準法や国土交通省の告示や通達を見ても、
本記事に関する情報は、載ってニャイよね?

そうなんだよ。『建築物の防火避難規定の解説』にしか載っていないんだ。
つまりこれがないと、設計が行き詰まってしまう場合があるんだ。
設計者は必ず購入すべき本です!少し高いけど、ずっと使えるから持っておくべきだよ!
おわりに

IHコンロは火を直接使用しないため、原則として内装制限の対象外ですが、建築基準法や火災予防条例によって適用範囲が異なる場合があります。特に、暖炉や固定された火源を持つ設備は、内装制限の対象となるため、設計時には注意が必要です。
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