
「寒冷地や積雪が多い地域での建築設計の植栽の留意点」について教えて下さい!

地域毎の特性を把握して計画に落とし込むことが重要だよね!
『寒冷地での植栽計画の留意事項について』を解説しよう!
はじめに

寒冷地で建築を計画する際、建物だけでなく植栽への配慮も欠かせません。特に積雪や低温は、植物の生育や配置に直接的な影響を及ぼし、破損や倒木といったリスクにもつながります。
本記事では、「植栽における寒冷地設計の注意点と対策」を整理しました。

第1章 植栽の成長について

想定される問題
寒冷な気候条件では、一部の樹木が生育に適さず、凍結により枯死するケースがあります。
主な原因
凍害によるダメージ
考えられる対策
- 地域環境に合った耐寒性の高い樹種を選ぶ。
想定される問題
積雪の重みにより幹や枝が折れたり、変形して景観や安全性を損なうことがあります。
主な原因
雪害
考えられる対策
- 除雪作業を妨げないよう、余裕を持った植栽配置にする。
- 樹木の上から落雪するリスクを考慮した配置計画を行う。
- 縄やムシロを用いた冬囲いを行い、枝折れを防止する。
第2章 屋上緑化について

想定される問題
屋上に設けた植栽が雪を受け、落下する危険がある。
主な原因
積雪による雪害
考えられる対策
- 屋上の外周部には植栽を配置しない。
- 植栽の高さや外周部からの距離を十分に検討する。
第3章 壁面緑化について

想定される問題
壁面に設けた植栽や登はん用の部材が落雪の影響を受けることがある。
主な原因
雪害
考えられる対策
- 落雪の危険がある範囲は立入禁止エリアとするなど、安全策を講じる。
おわりに

寒冷地での植栽計画は、単に景観を整えるだけでなく「雪や凍結による被害をどう防ぐか」という視点が不可欠です。樹種の選定から配置計画、そして雪害対策まで、細かな工夫がトラブルを未然に防ぎます。忙しい設計者ほど、こうしたポイントを押さえることで、メンテナンス負担を軽減し、安心して利用できる外部空間を実現できるでしょう。
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