【クラブハウス/部室】別棟緩和|廊下幅員1200mm|防火避難規定の解説!

建築知識
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見習い女の子
見習い女の子

学校のクラブハウスの廊下幅員が、緩和できるって本当ですか?

建築戦士スー
建築戦士スー

条件を満たすことで廊下幅員を最低『1.2m』にできるよ!

『建築基準法』と『建築物の防火避難規定の解説』を基に、わかりやすく解説しよう!

はじめに

廊下の番人が現れた
廊下の番人が現れた

学校のクラブハウスや部室の廊下幅員は、一般的に定められた規定がある一方で、特定の条件を満たす場合にはその幅を緩和できることをご存じでしょうか?

本記事では、学校施設の中でも特にクラブハウスや部室などにおける廊下幅員の基準と、その緩和の可否について、『建築基準法』および『建築物の防火避難規定の解説』をもとに詳しく解説します。学校設計や改修を担当される方々にとって、廊下幅員の適正な計画は重要な要素となりますので、ぜひ参考にしてください。

記事のレベル
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第1章 学校における廊下幅員の規定について

学校の廊下を走る学生たち
学校の廊下を走る学生たち

廊下に規制がかかる建築物とは?

廊下幅員
廊下幅員
非常事態の学校廊下
非常事態の学校廊下

建築物が下記<条件>に該当する場合、『廊下幅員』に制限がかかります。

<条件>
法別表第一(い)欄(一)項から(四)項までの特殊建築物
階数が3以上である建築物
採光無窓居室(採光に有効な窓面積<居室床面積×1/20)のある階
延べ面積が1000㎡を超える建築物

建築戦士スー
建築戦士スー

廊下に関する規定の『建築基準法施行令117条』を確認しよう!

第二節 廊下、避難階段及び出入口
(適用の範囲)
第百十七条 この節の規定は、法別表第一(い)欄(一)項から(四)項までに掲げる用途に供する特殊建築物、階数が三以上である建築物、前条第一項第一号に該当する窓その他の開口部を有しない居室を有する階又は延べ面積が千平方メートルをこえる建築物に限り適用する。
2 次に掲げる建築物の部分は、この節の規定の適用については、それぞれ別の建築物とみなす。
一 建築物が開口部のない耐火構造の床又は壁で区画されている場合における当該床又は壁により分離された部分
二 建築物の二以上の部分の構造が通常の火災時において相互に火熱又は煙若しくはガスによる防火上有害な影響を及ぼさないものとして国土交通大臣が定めた構造方法を用いるものである場合における当該部分

引用:建築基準法施行令(昭和二十五年政令第三百三十八号)

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どれくらいの幅員が必要なの?

廊下に潜む幅員の魔物
廊下に潜む幅員の魔物
廊下の用途両側に居室がある廊下の場合(m)その他の廊下の場合(m)
小学校、中学校、義務教育学校、高等学校または中等教育学校における児童用または生徒用のもの2.31.8
病院における患者用のもの、共同住宅の住戸または住室の床面積の合計が100㎡を超える階における共用のもの、または3室以下の専用のものを除き、居室の床面積の合計が200㎡(地階の場合は100㎡)を超える階におけるもの1.61.2
建築基準法施行令第119条の内容を転記
廊下清掃係の勇者
廊下清掃係の勇者

『学校』については、『両側居室=2.3m』『その他=1.8m』の廊下幅員が必要です。(上記の表より)

建築戦士スー
建築戦士スー

廊下に関する規定の『建築基準法施行令119条』を確認しよう!

(廊下の幅)
第百十九条 廊下の幅は、それぞれ次の表に掲げる数値以上としなければならない。

引用:建築基準法施行令(昭和二十五年政令第三百三十八号)より

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第2章 学校のクラブハウスの廊下幅員について

校庭を囲うクラブハウス棟
校庭を囲うクラブハウス棟
部活の技で怪物を倒す未来の勇者
部活の技で怪物を倒す未来の勇者

結論:下記<条件>を満たす場合、下記の数値で計画可能。

廊下の用途両側に居室がある廊下の場合(m)その他の廊下の場合(m)
病院における患者用のもの、共同住宅の住戸または住室の床面積の合計が100㎡を超える階における共用のもの、または3室以下の専用のものを除き、居室の床面積の合計が200㎡(地階の場合は100㎡)を超える階におけるもの1.61.2

<条件>
・クラブハウスが校舎と別棟であること。

長老ヨーク
長老ヨーク

『学校のクラブハウス』は、 学校の主たる用途の建築物ではない。それに利用者も限定的だから「3室以下の専用のものを除き居室の床面積の合計が200m² (地階にあっては、100m²) を超える階におけるもの」の規定幅員を適用しても避難上支障がないものとして取り扱うことができるのじゃ!

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have a break!!!
have a break!!!

学校のような敷地内に複数の建築物を計画する際は、『用途上不可分』という考え方を理解しておく必要があります。下記記事にて解説をしておりますので、ご一読頂くことを推奨します

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第3章 「建築物の防火避難規定の解説」を手に入れよう!

建築物の防火避難規定の解説を読む勇者のイメージ
建築物の防火避難規定の解説を読む勇者のイメージ
残業ブラッキー
残業ブラッキー

建築基準法や国土交通省の告示や通達を見ても、

本記事に関する情報は、載ってニャイよね?

建築戦士スー
建築戦士スー

そうなんだよ。『建築物の防火避難規定の解説』にしか載っていないんだ。

つまりこれがないと、設計が行き詰まってしまう場合があるんだ。

設計者は必ず購入すべき本です!少し高いけど、ずっと使えるから持っておくべきだよ!

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おわりに

廊下の知識を獲得した
廊下の知識を獲得した

学校のクラブハウスや部室などにおける廊下幅員の緩和は、条件を満たせば可能であることがわかりました。施設の使い方や建物の構造に応じて柔軟に対応できる点は、設計の自由度を広げると同時に、避難計画にも大きな影響を及ぼします。今回ご紹介した基準と緩和方法を参考に、安全かつ効率的な廊下計画を進めていきましょう

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