【常時閉鎖式防火戸】はめごろし戸の取扱い|防火避難規定の解説

建築知識
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見習い女の子
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はめごろし戸を、常時閉鎖式防火戸とみなす為の取扱いについて教えて下さい!

建築戦士スー
建築戦士スー

解釈と条件について、『建築物の防火避難規定の解説』をもとに解説します!

はじめに

防火戸の番人が現れた!
防火戸の番人が現れた!

建築設計において、防火区画の適切な設定は、建物の安全性を確保するうえで極めて重要です。中でも「常時閉鎖式防火戸」の取り扱いは、防火設備の設置方針や設計方針に大きく関わるため、その正確な理解が求められます。

本記事では、はめごろし戸を「常時閉鎖式防火戸」として取り扱うための要件について、国土交通省の告示および『建築物の防火避難規定の解説』に基づき、詳細に解説いたします。

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第1章 はめごろしを常時閉鎖式防火戸とみなす取扱い

伝説のガラスキューブと言い伝えられているはめ殺しガラスの秘宝
伝説のガラスキューブと言い伝えられているはめ殺しガラスの秘宝
常時閉鎖式防火戸
常時閉鎖式防火戸

「常時閉鎖式防火戸」とは、面積が3㎡以内で、常時閉鎖状態を保持し、直接手で開けることができ、かつ自動的に閉鎖する防火戸を指します(昭和48年建設省告示第2563号)。

引用:建設省告示第2563号 防火区画に用いる防火設備等の構造方法を定める件より
常時閉鎖式防火戸のはめごろしの取り扱いイメージ
常時閉鎖式防火戸のはめごろしの取り扱いイメージ

鉄製で網入りガラスなどを用いた“はめごろし戸”については、建築基準法施行令第112条第19項に定められた「常時閉鎖式防火戸」に該当する両面20分の防火設備として取り扱うことができます。

(防火区画)
第百十二条 法第二条第九号の三イ若しくはロのいずれかに該当する建築物(特定主要構造部を耐火構造とした建築物を含む。)又は第百三十六条の二第一号ロ若しくは第二号ロに掲げる基準に適合する建築物で、延べ面積(スプリンクラー設備、水噴霧消火設備、泡消火設備その他これらに類するもので自動式のものを設けた部分の床面積の二分の一に相当する床面積を除く。以下この条において同じ。)が千五百平方メートルを超えるものは、床面積の合計(スプリンクラー設備、水噴霧消火設備、泡消火設備その他これらに類するもので自動式のものを設けた部分の床面積の二分の一に相当する床面積を除く。以下この条において同じ。)千五百平方メートル以内ごとに一時間準耐火基準に適合する準耐火構造の床若しくは壁又は特定防火設備(第百九条に規定する防火設備であつて、これに通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後一時間当該加熱面以外の面に火炎を出さないものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものをいう。以下同じ。)で区画しなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する建築物の部分でその用途上やむを得ないものについては、この限りでない。
一 劇場、映画館、演芸場、観覧場、公会堂又は集会場の客席、体育館、工場その他これらに類する用途に供する建築物の部分
二 階段室の部分等(階段室の部分又は昇降機の昇降路の部分(当該昇降機の乗降のための乗降ロビーの部分を含む。)をいう。第十四項において同じ。)で一時間準耐火基準に適合する準耐火構造の床若しくは壁又は特定防火設備で区画されたもの

(中略)

19 第一項、第四項、第五項、第十項又は前項の規定による区画に用いる特定防火設備、第七項、第十項、第十一項又は第十二項本文の規定による区画に用いる法第二条第九号の二ロに規定する防火設備、同項ただし書の規定による区画に用いる十分間防火設備及び第十三項の規定による区画に用いる戸は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める構造のものとしなければならない。
一 第一項本文、第四項若しくは第五項の規定による区画に用いる特定防火設備又は第七項の規定による区画に用いる法第二条第九号の二ロに規定する防火設備 次に掲げる要件を満たすものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたもの
イ 常時閉鎖若しくは作動をした状態にあるか、又は随時閉鎖若しくは作動をできるものであること。
ロ 閉鎖又は作動をするに際して、当該特定防火設備又は防火設備の周囲の人の安全を確保することができるものであること。
ハ 居室から地上に通ずる主たる廊下、階段その他の通路の通行の用に供する部分に設けるものにあつては、閉鎖又は作動をした状態において避難上支障がないものであること。
ニ 常時閉鎖又は作動をした状態にあるもの以外のものにあつては、火災により煙が発生した場合又は火災により温度が急激に上昇した場合のいずれかの場合に、自動的に閉鎖又は作動をするものであること。
二 第一項第二号、第十項若しくは前項の規定による区画に用いる特定防火設備、第十項、第十一項若しくは第十二項本文の規定による区画に用いる法第二条第九号の二ロに規定する防火設備、同項ただし書の規定による区画に用いる十分間防火設備又は第十三項の規定による区画に用いる戸 次に掲げる要件を満たすものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたもの
イ 前号イからハまでに掲げる要件を満たしているものであること。
ロ 避難上及び防火上支障のない遮煙性能を有し、かつ、常時閉鎖又は作動をした状態にあるもの以外のものにあつては、火災により煙が発生した場合に自動的に閉鎖又は作動をするものであること。

引用:建築基準法施行令(昭和二十五年政令第三百三十八号)

はめごろしの呪文で閉じ込められた魔物
はめごろしの呪文で閉じ込められた魔物

なお、はめごろし戸は直接手で開くことはできませんが常時閉鎖された状態を維持してい
リンクることから、防火上は出入口に設置された常時閉鎖式防火戸と同等の効果があると判断されます。

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第2章 「建築物の防火避難規定の解説」を手に入れよう!

建築物の防火避難規定の解説を読む勇者のイメージ
建築物の防火避難規定の解説を読む勇者のイメージ
残業ブラッキー
残業ブラッキー

建築基準法や国土交通省の告示や通達を見ても、

本記事に関する情報は、載ってニャイよね?

建築戦士スー
建築戦士スー

そうなんだよ。『建築物の防火避難規定の解説』にしか載っていないんだ。

つまりこれがないと、設計が行き詰まってしまう場合があるんだ。

設計者は必ず購入すべき本です!少し高いけど、ずっと使えるから持っておくべきだよ!

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おわりに

防火戸の知識を手に入れた!
防火戸の知識を手に入れた!

はめごろし戸を「常時閉鎖式防火戸」とみなす取扱いについては、単に形状や材質だけでなく、法令上の定義と構造的要件を正確に理解した上で判断する必要があります。特に、『建築物の防火避難規定の解説』に記載された見解は、実務において非常に重要な指針となります。

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