【自動ドア】設計基準や寸法や防護柵の注意点!安全対策など絶対に抑えるべき設計ポイント

建築知識
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設計者・デザイナーの方必見!ディテール(納まり)ポータルサイトを作りました!
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設計者A
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自動ドア計画の勘所ってありますか?

一級建築士:SUPERRE
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民間資料は、文字が多くて疲れちゃうよね。。。

普段特に気にする部分を解説しよう!

<おすすめ>スケッチやホテルに興味がある方必見!建築士が客室をスケッチしました。
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  1. はじめに
  2. 第1章 自動ドアの基準について
    1. 2017年にJISが制定!
    2. 本記事の目的
  3. 第2章 適用範囲とドア形式について
    1. 全国自動ドア産業振興会/全国自動ドア協会資料の規制抜粋
    2. 私が自主的に気をつけていること!
      1. 自動ドアは『引分け形式』が主流に!!
      2. やむを得ず「自動開きドア」を採用する場合は、、、
      3. 自動回転ドアについて
  4. 第3章 ドアの形状・寸法について
    1. 全国自動ドア産業振興会/全国自動ドア協会資料の規制抜粋
    2. 私が自主的に気をつけていること!
      1. 車椅子利用者に配慮
      2. 『方立』と『枠』による怪我に配慮
  5. 第4章 警告表示について
    1. 全国自動ドア産業振興会/全国自動ドア協会資料の規制抜粋
  6. 第5章 開閉制限について
    1. 全国自動ドア産業振興会/全国自動ドア協会資料の規制抜粋
      1. オフィスの場合
      2. 病院・公共施設等(高齢者/子供連れ/車椅子利用者など)の場合
  7. 第6章 センサー制御について
    1. 全国自動ドア産業振興会/全国自動ドア協会資料の規制抜粋
    2. 私が自主的に気をつけていること!
      1. 隙間からの開放に注意!
      2. センサーの死角に注意!
      3. 補助センサーには、水平ビームセンサーを!
    3. 不特定多数の方が訪れる施設の場合
  8. 第6章 防護柵について
    1. 全国自動ドア産業振興会/全国自動ドア協会資料の規制抜粋
    2. 私が自主的に気をつけていること!
      1. 不特定多数が利用する場合
      2. 防護柵は、H=1,300mmにしたこともあるよ!
  9. おわりに
    1. 関連

はじめに

自動ドアは、現代の建築において重要な要素の一つです。特に商業施設や公共施設など、多くの人が利用する場面では、安全性や使い勝手が非常に重要です。しかし、自動ドアの設計には基準や規制が複雑で、すべてを理解するのは容易ではありません。

本記事では、建築士として押さえておくべき自動ドア設計のポイントを、基準や規制に基づいてわかりやすく解説します。特に、防護柵や安全対策について、設計者が知っておくべき注意点に焦点を当てています。

この記事のレベルです。
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第1章 自動ドアの基準について

2017年にJISが制定!

自動ドアは、高齢化社会において重要性が再認識されています。2017年3月には、自動ドアに関して「JIS A 4722 歩行者用自動ドアセット-安全性」が制定されました。
JISというと、テキストが多く基準が分かりにくい資料が多い印象です。

一級建築士:SUPERRE
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個人的に自動ドアの規制を確認する際は、

下記の2つの資料を確認することが多いです。

本記事の目的

上記でご紹介をしました自動ドアの規定は、ページ数が多く全部に目を通すこと自体にハードルを感じます。

情報過多でどれを読めばいいか疲れちゃいますよね。計画時によく見る部分を紹介します。
情報過多でどれを読めばいいか疲れちゃいますよね。計画時によく見る部分を紹介します。

そこで!!本記事では、計画段階によく見る部分を建築士自ら絞り、粒度と根拠を意識した解説としています。では解説をしていきます。

一級建築士:SUPERRE
一級建築士:SUPERRE

ぜひ『JIS』と『自動ドア協会』の文書と併用して、

お目通し頂けますと間違いがないと思います!

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第2章 適用範囲とドア形式について

全国自動ドア産業振興会/全国自動ドア協会資料の規制抜粋

適用範囲:スライド式自動ドアの総重量
片引きの場合:150kg未満
引分けの場合:300kg(150kg×2枚)未満

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私が自主的に気をつけていること!

一級建築士:SUPERRE
一級建築士:SUPERRE

自動ドアは『引分け形式』が主流に!!

安全性の観点より、「開き形式」は採用しません。

『自動ドア協会の安全ガイドライン』や『多重スライド(横引き)式自動ドアの安全基準要約』の適用範囲を超える場合は、メーカーを入れて安全性について個別検討をします。

やむを得ず「自動開きドア」を採用する場合は、、、

Screenshot

開閉軌跡を床面にサインで表示をすることや、出入り口を別々に設けるなど、検討することもあります。

ベテラン上司
ベテラン上司

自動回転ドアについて

引用:自動回転ドアの事故防止対策に関するガイドラインについて

自動回転ドアは、過去の事故事例を踏まえ、採用しない事業者も増えているね!安全性の観点より、街中でもあまり見なくなってきているよ。

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第3章 ドアの形状・寸法について

全国自動ドア産業振興会/全国自動ドア協会資料の規制抜粋

・通行部有効寸法:W=900mm 以上
・引き残し(指詰め事故防止):30mm以上

私が自主的に気をつけていること!

一級建築士:SUPERRE
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車椅子利用者に配慮

基準の通りW=900mmを最低寸法とし、可能な限り間口を広く取る

『方立』と『枠』による怪我に配慮

框ドアの縦方立面取りをする。 (1.5Rなど)

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第4章 警告表示について

全国自動ドア産業振興会/全国自動ドア協会資料の規制抜粋

サイン表示のイメージ
サイン表示のイメージ

自動ドア表示注意喚起マークを掲示する。
・戸袋側のガラスには、衝突防止マークを掲示する。
・駆け込み防止の観点より、障子部も衝突防止マークを掲示する。

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第5章 開閉制限について

全国自動ドア産業振興会/全国自動ドア協会資料の規制抜粋

オフィスの場合

開閉速度:開→500mm/s以下、閉→350mm/s以下
オープンタイム:1〜5秒

病院・公共施設等(高齢者/子供連れ/車椅子利用者など)の場合

開閉速度:開→400mm/s以下、閉→250mm/s以下
オープンタイム:可能な限り長時間

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第6章 センサー制御について

全国自動ドア産業振興会/全国自動ドア協会資料の規制抜粋

センサーと自動ドアの関係性概略図<平面>
センサーと自動ドアの関係性概略図<平面>
センサーと自動ドアの関係性概略図<立面/断面>
センサーと自動ドアの関係性概略図<立面/断面>

<補助センサーの高さ>
全国自動ドア協会:200mm~700mm
全国自動ドア産業振興会:500mm~700mm

私が自主的に気をつけていること!

一級建築士:SUPERRE
一級建築士:SUPERRE

隙間からの開放に注意!

わずかな隙間から障害物を差し込んで開放できる場合があります。セキュリティが求められる場面は特に注意が必要です。

センサーの死角に注意!

計画の状況によっては、センサーに死角が発生する場合があります。必ずメーカーにセンサーのシュミレーションをしてもらい、ビジュアルとして視覚が発生していないかを確認してください。

補助センサーには、水平ビームセンサーを!

補助センサーには、水平ビームセンサー(投光・受光型)を設置します。水平ビームセンサーの設置が難しい場合は、超音波センサーを扉召合せ部分に設置をします。

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不特定多数の方が訪れる施設の場合

一級建築士:SUPERRE
一級建築士:SUPERRE

補助センサーを2段構えで計画することが多いです。

水平ビームセンサー(投光・受光型)は、床上150mmと600mmが一般的です。

設計者A
設計者A

なぜ『150mm』に設置するんですか?

一級建築士:SUPERRE
一級建築士:SUPERRE

ベビーカーを検知する為です!

150〜200mmであれば問題ないですよ!

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第6章 防護柵について

全国自動ドア産業振興会/全国自動ドア協会資料の規制抜粋

・防護柵は、床面から1,000mm以上とすること。
・防護柵の幅は、引き込まれるドアの戸尻側は、ドアより30mm以上長くする。 ドアの戸先側は、閉鎖したドアの戸尻側と一致させる。

私が自主的に気をつけていること!

一級建築士:SUPERRE
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不特定多数が利用する場合

防護柵と自動ドアとの関係性
防護柵と自動ドアとの関係性
防護柵の立面イメージ
防護柵の立面イメージ

エントランス等の不特定多数が利用する場合は、進入防止対策として防護柵を設置することがあります。戸袋側にH=850mm程度です。

防護柵と自動ドアの縦枠間の寸法は、50mm程度を確保しています。特に子供の手に絡む事故を防ぐことが目的です。
防護柵のパネル材は、極力面材(アクリルや強化ガラス)を採用し、子供がフレームを足がかりとして遊べないようにしています。
柵自体に腰掛けないような形状にしています。

設計の師匠
設計の師匠

防護柵は、H=1,300mmにしたこともあるよ!

腰掛けたり、乗ったり、手すりとして寄りかかったり、事故の元になりやすい性質も持ち合わせているんだ!その為、いっそのこと高めに設定することもあるよ

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おわりに

自動ドアの設計は、ただ見た目や使い勝手だけでなく、安全性や法的な基準をしっかりと理解し、適切に反映させることが重要です。特に、不特定多数が利用する施設では、事故を未然に防ぐための配慮が欠かせません。今回紹介したポイントを参考に、安全で使いやすい自動ドア設計を心がけてください。自動ドア協会やJISのガイドラインを活用しながら最適な設計を実現しましょう

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