
防火区画における非主要構造部の小ばり・胴縁・間柱の取扱いについて教えて下さい!

解釈と条件について、『建築物の防火避難規定の解説』をもとに解説します!
はじめに

防火区画は、建築物における火災時の安全性を確保するうえで極めて重要な構成要素です。特に、防火区画を構成する非主要構造部材の取扱いについては、設計者として正確な理解が求められます。
本記事では、「建築物の防火避難規定の解説」に基づき、非主要構造部である小ばり・胴縁・間柱の取扱いに焦点を当て、その法的位置づけや設計上の注意点を整理します。特に、大臣認定仕様の扱いや、デッキプレート床構造における耐火被覆の要否など、現場で悩みがちな実務上の論点についても、資料や照会事例を引用しながらわかりやすく解説します。

第1章 防火区画を構成する床・壁の範囲

構造上重要でない小ばり・胴縁・間柱などで、床や壁と一体となっている部分については、防火区画を構成する床や壁の一部として取り扱うことが望ましいです。



耐火被覆と耐火性能についての参考資料を紹介しよう!
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P.48 デッキプレート床構造の耐火性能について、建物に使用する場合は、小ばり・大ばりに支持されて床を構成することになるが、小ばりばりの耐火被覆の必要性の有無について各所で意見が異なっている。 床の耐火性能評価は、床スラブのみと考えてよいのか?
(回答)
デッキ合成スラブの無被覆耐火指定は、 耐火構造の鉄骨造建物床を想定して耐火試験を実施し、 耐火認定を取得しましたので、 耐火標準仕様書の中の構造説明には、はりに耐火被覆を施したものが描かれ、はりとデッキ合成スラブがセットになった感じを与えています。 しかし、 付帯条件として「はりの耐火被覆(はりに1、2又は3時間の耐火性能が要求される場合は、それらに応じた耐火被覆を施す)」 と明記されており、小ばりばりには、はりの耐火時間に準じた耐火被覆が必要になります。即ち、 耐火構造の法体系上は、床スラブとはりは別で、はりの耐火性能に関係なく、デッキ合成スラブは床構造として、1時間又は2時間の耐火性能があるということです。ただし、準耐火構造などで、 床スラブを耐火水平区画とする場合、鉄骨はりに耐火被覆は必要ありません(下図、(A)参照)が、このはり下に耐火垂直区画がつながる場合(下図、(B)参照)は、この交差部のはりには、区画性能が必要であり、はりに耐火被覆は必要です。引用:平16年「デッキプレート版技術基準解説及び設計・計算例」 講習会における質問と回答 (ビルディングレター/2004・11)
第2章 「勇者と魔獣で学ぶ!防火避難の解説書」を手に入れよう!


建築基準法や国土交通省の告示や通達を見ても、
本記事に関する情報は、載ってニャイよね?

その通り!『建築物の防火避難規定の解説』に載ってるよ!
でも1冊5,000円。文字も多くて読みにくいんだよね。。。

高い!!!文字ばかりっも辛いニャ。。。


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設計をしていると、行き詰まる瞬間が訪れます。
その理由はシンプルです。防火避難規定の多くは建築基準法や告示などでは載っておらず、お金を持っている人しかリーチできない情報格差が存在しているからです。

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スポンサーリンクおわりに

非主要構造部である小ばり・胴縁・間柱については、一見すると防火区画における重要度が低いように思われがちですが、床・壁と一体となって機能する場合には、防火区画の一部としての役割が求められます。
加えて、大臣認定を受けた構造仕様における条件や、耐火性能の評価範囲については、設計図書作成時に慎重な確認が必要です。特に、「建築物の防火避難規定の解説」は、告示や条文ではカバーしきれない実務的判断の根拠となる貴重な資料であり、設計者にとって必携の書といえるでしょう。
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