
屋外避難階段と屋外階段って何が違うの?

解釈と条件について、『建築物の防火避難規定の解説』をもとに解説します!
はじめに

建築の設計において「屋外階段」と「屋外避難階段」は、似ているようで異なる基準が求められます。この違いを正しく理解していないと、思わぬ設計ミスにつながることも。
本記事では、『建築物の防火避難規定の解説』をもとに、「屋外階段」と「屋外避難階段」の条件や解釈について詳しく解説します。避難階段の基準をしっかり押さえて、安全かつ法令に適合した建築設計を目指しましょう。

第1章 避難階段って?


避難階段は、防火性能を強化した直通階段のことを指します。災害時に多くの人々が迅速かつ安全に避難できるよう、地上へ直接通じる構造になっています。
避難階段は、3種類ある!

建築基準法では以下の3つに分類されています。
1:屋内避難階段
2:屋外避難階段
3:特別避難階段

避難階段は、『直通階段』を兼ねるよ!
下記のような包含関係にあるから覚えておいて!

第2章 屋外階段と屋外避難階段の取扱いについて

屋外階段の要件


以下の条件を満たす階段は、建築基準法施行令第23条第1項ただし書に規定する屋外階段として扱われます。
<屋外階段の条件>
・2面以上、かつ周長の約2分の1以上が外気に開放されていること。
・開放部分に腰壁や手すりがある場合は、手すりの上部が高さ1.1m以上外気に開放されていること。
スポンサーリンク(階段及びその踊場の幅並びに階段の蹴上げ及び踏面の寸法)
第二十三条 階段及びその踊場の幅並びに階段の蹴上げ及び踏面の寸法は、次の表によらなければならない。ただし、屋外階段の幅は、第百二十条又は第百二十一条の規定による直通階段にあつては九十センチメートル以上、その他のものにあつては六十センチメートル以上、住宅の階段(共同住宅の共用の階段を除く。)の蹴上げは二十三センチメートル以下、踏面は十五センチメートル以上とすることができる。
(中略)
屋外避難階段の要件

建築基準法施行令第123条第2項に規定される屋外避難階段は、屋外階段の要件に加え、以下の条件を満たす必要があります。
<屋外避難階段の要件>
・隣地境界線(公園や水面に接する場合を除く)から50cm以上の距離を確保すること。
・同一敷地内の他の建築物や当該建築物の一部(ドライエリアの擁壁等を含む)から1m以上の距離を確保すること。
なお、上記の「1m以上の距離を確保」という規定は、建築物に該当しない機械式駐車場には適用されません。そのため、機械式駐車場を設置する場合、この離隔距離を確保する必要はありません。
スポンサーリンク(避難階段及び特別避難階段の構造)
第百二十三条 屋内に設ける避難階段は、次に定める構造としなければならない。
(中略)
2 屋外に設ける避難階段は、次に定める構造としなければならない。
一 階段は、その階段に通ずる出入口以外の開口部(開口面積が各々一平方メートル以内で、法第二条第九号の二ロに規定する防火設備ではめごろし戸であるものが設けられたものを除く。)から二メートル以上の距離に設けること。
二 屋内から階段に通ずる出入口には、前項第六号の防火設備を設けること。
三 階段は、耐火構造とし、地上まで直通すること。
第3章 「建築物の防火避難規定の解説」を手に入れよう!


建築基準法や国土交通省の告示や通達を見ても、
本記事に関する情報は、載ってニャイよね?

そうなんだよ。『建築物の防火避難規定の解説』にしか載っていないんだ。
つまりこれがないと、設計が行き詰まってしまう場合があるんだ。
設計者は必ず購入すべき本です!少し高いけど、ずっと使えるから持っておくべきだよ!
おわりに

「屋外階段」と「屋外避難階段」の違いを理解することは、建築設計者にとって重要なポイントです。特に、避難経路としての機能を果たす屋外避難階段は、厳格な規定が設けられています。本記事で解説したポイントを押さえ、適切な設計に活かしてください。『建築物の防火避難規定の解説』も参考にしながら、法規を正しく理解し、安全な建築設計を実践しましょう!
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