【非常用エレベーター設置免除】1㎡以内の防火設備|はめごろしにすべし!防火避難規定の解説!

建築知識
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見習い女の子
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非常用昇降機の免除規定の1㎡の防火設備について、具体的な仕様を教えて下さい!

建築戦士スー
建築戦士スー

建築基準法施行令第129条の13の2第三号だね!

『建築基準法』と『建築物の防火避難規定の解説』を基に、わかりやすく解説しよう!

はじめに

昇降機の番人が現れた
昇降機の番人が現れた

建物の高さや用途によっては、非常用エレベーターの設置が義務付けられるケースがありますが、一部の条件においてはこの設置が免除されることがあります。特に、防火設備が適切に配置されている場合、一定の緩和措置が認められることがあるのです。

本記事では、建築基準法に基づき、免除規定や防火設備の基準について詳しく解説します。特に、「1㎡以内の防火設備」という具体的な要件にフォーカスし、非常用エレベーターの設置免除を実現するための実務的なポイントをお伝えします。

記事のレベル
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第1章 非常用エレベーターとは?

宇宙まで伸びる特殊昇降機のイメージ
宇宙まで伸びる特殊昇降機のイメージ

昇降機には、2種類ある!

一般用エレベーター
一般用エレベーター

意味:人を輸送する為の一般的なエレベーター。

一般的な昇降機のイメージ
一般的な昇降機のイメージ

商業施設やビルなどでよく使われている昇降機です。

非常用エレベーター
非常用エレベーター

意味:消防隊が消火及び救助活動に使用するエレベーターです。

非常用昇降機のイメージ
非常用昇降機のイメージ

災害時に本領を発揮する昇降機です。一般用エレベーターと搭載機能が異なります。災害時でもエレベーター室内の専用パネルで操作可能であり、扉を開けたまま移動することもできます。予備電源対応もされていて、停電にも備えています。

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非常用エレベーターは、どんな建物に設置が必要なの?

設置条件を調べる勇者
設置条件を調べる勇者
高さ31mを超える場合
高さ31mを超える場合

非常用エレベーターの設置が必要な建物:高さ31mを超える場合

建築基準法を確認しよう!

該当法令が浮き上がる魔法の法令集
該当法令が浮き上がる魔法の法令集
建築戦士スー
建築戦士スー

設置条件は、『建築基準法第34条』です。

(昇降機)
第三十四条 建築物に設ける昇降機は、安全な構造で、かつ、その昇降路の周壁及び開口部は、防火上支障がない構造でなければならない。
2 高さ三十一メートルをこえる建築物(政令で定めるものを除く。)には、非常用の昇降機を設けなければならない。

引用:建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)より

建築戦士スー
建築戦士スー

緩和条件は、『建築基準法施行令第129条の13の2』です。

(非常用の昇降機の設置を要しない建築物)
第百二十九条の十三の二 法第三十四条第二項の規定により政令で定める建築物は、次の各号のいずれかに該当するものとする。
一 高さ三十一メートルを超える部分を階段室、昇降機その他の建築設備の機械室、装飾塔、物見塔、屋窓その他これらに類する用途に供する建築物
二 高さ三十一メートルを超える部分の各階の床面積の合計が五百平方メートル以下の建築物
三 高さ三十一メートルを超える部分の階数が四以下の特定主要構造部を耐火構造とした建築物で、当該部分が床面積の合計百平方メートル以内ごとに耐火構造の床若しくは壁又は特定防火設備でその構造が第百十二条第十九項第一号イ、ロ及びニに掲げる要件を満たすものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたもの(廊下に面する窓で開口面積が一平方メートル以内のものに設けられる法第二条第九号の二ロに規定する防火設備を含む。)で区画されているもの
四 高さ三十一メートルを超える部分を機械製作工場、不燃性の物品を保管する倉庫その他これらに類する用途に供する建築物で主要構造部が不燃材料で造られたものその他これと同等以上に火災の発生のおそれの少ない構造のもの

引用:建築基準法施行令(昭和二十五年政令第三百三十八号)より

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建築戦士スー
建築戦士スー

設置及び構造条件は、『建築基準法施行令第129条の13の3』です。

(非常用の昇降機の設置及び構造)
第百二十九条の十三の三 法第三十四条第二項の規定による非常用の昇降機は、エレベーターとし、その設置及び構造は、第百二十九条の四から第百二十九条の十までの規定によるほか、この条に定めるところによらなければならない。
2 前項の非常用の昇降機であるエレベーター(以下「非常用エレベーター」という。)の数は、高さ三十一メートルを超える部分の床面積が最大の階における床面積に応じて、次の表に定める数以上とし、二以上の非常用エレベーターを設置する場合には、避難上及び消火上有効な間隔を保つて配置しなければならない。

高さ31メートルを超える部分の床面積が最大の階の床面積非常用エレベーターの数
(一) 1,500平方メートル以下の場合1
(二) 1,500平方メートルを超える場合(1)の数に加えて、3,000平方メートル以内ごとに1台追加

3 乗降ロビーは、次に定める構造としなければならない。
一 各階(屋内と連絡する乗降ロビーを設けることが構造上著しく困難である階で次のイからホまでのいずれかに該当するもの及び避難階を除く。)において屋内と連絡すること。
イ 当該階及びその直上階(当該階が、地階である場合にあつては当該階及びその直下階、最上階又は地階の最下階である場合にあつては当該階)が次の(1)又は(2)のいずれかに該当し、かつ、当該階の直下階(当該階が地階である場合にあつては、その直上階)において乗降ロビーが設けられている階
(1) 階段室、昇降機その他の建築設備の機械室その他これらに類する用途に供する階
(2) その主要構造部が不燃材料で造られた建築物その他これと同等以上に火災の発生のおそれの少ない構造の建築物の階で、機械製作工場、不燃性の物品を保管する倉庫その他これらに類する用途に供するもの
ロ 当該階以上の階の床面積の合計が五百平方メートル以下の階
ハ 避難階の直上階又は直下階
ニ その主要構造部が不燃材料で造られた建築物の地階(他の非常用エレベーターの乗降ロビーが設けられているものに限る。)で居室を有しないもの
ホ 当該階の床面積に応じ、次の表に定める数の他の非常用エレベーターの乗降ロビーが屋内と連絡している階

当該階の床面積当該階で乗降ロビーが屋内と連絡している他の非常用エレベーターの数
(一)1,500平方メートル以下の場合1
(二)1,500平方メートルを超える場合(1)の数に加えて、3,000平方メートル以内ごとに1台追加

二 バルコニーを設けること。
三 出入口(特別避難階段の階段室に通ずる出入口及び昇降路の出入口を除く。)には、第百二十三条第一項第六号に規定する構造の特定防火設備を設けること。
四 窓若しくは排煙設備又は出入口を除き、耐火構造の床及び壁で囲むこと。
五 天井及び壁の室内に面する部分は、仕上げを不燃材料でし、かつ、その下地を不燃材料で造ること。
六 予備電源を有する照明設備を設けること。
七 床面積は、非常用エレベーター一基について十平方メートル以上とすること。
八 屋内消火栓、連結送水管の放水口、非常コンセント設備等の消火設備を設置できるものとすること。
九 乗降ロビーには、見やすい方法で、積載量及び最大定員のほか、非常用エレベーターである旨、避難階における避難経路その他避難上必要な事項を明示した標識を掲示し、かつ、非常の用に供している場合においてその旨を明示することができる表示灯その他これに類するものを設けること。
4 非常用エレベーターの昇降路は、非常用エレベーター二基以内ごとに、乗降ロビーに通ずる出入口及び機械室に通ずる主索、電線その他のものの周囲を除き、耐火構造の床及び壁で囲まなければならない。
5 避難階においては、非常用エレベーターの昇降路の出入口(第三項に規定する構造の乗降ロビーを設けた場合には、その出入口)から屋外への出口(道又は道に通ずる幅員四メートル以上の通路、空地その他これらに類するものに接している部分に限る。)の一に至る歩行距離は、三十メートル以下としなければならない。
6 非常用エレベーターの籠及びその出入口の寸法並びに籠の積載量は、国土交通大臣の指定する日本産業規格に定める数値以上としなければならない。
7 非常用エレベーターには、籠を呼び戻す装置(各階の乗降ロビー及び非常用エレベーターの籠内に設けられた通常の制御装置の機能を停止させ、籠を避難階又はその直上階若しくは直下階に呼び戻す装置をいう。)を設け、かつ、当該装置の作動は、避難階又はその直上階若しくは直下階の乗降ロビー及び中央管理室において行うことができるものとしなければならない。
8 非常用エレベーターには、籠内と中央管理室とを連絡する電話装置を設けなければならない。
9 非常用エレベーターには、第百二十九条の八第二項第二号及び第百二十九条の十第三項第二号に掲げる装置の機能を停止させ、籠の戸を開いたまま籠を昇降させることができる装置を設けなければならない。
10 非常用エレベーターには、予備電源を設けなければならない。
11 非常用エレベーターの籠の定格速度は、六十メートル以上としなければならない。
12 第二項から前項までの規定によるほか、非常用エレベーターの構造は、その機能を確保するために必要があるものとして国土交通大臣が定めた構造方法を用いるものとしなければならない。
13 第三項第二号の規定は、非常用エレベーターの昇降路又は乗降ロビーの構造が、通常の火災時に生ずる煙が乗降ロビーを通じて昇降路に流入することを有効に防止できるものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものである場合においては、適用しない。

引用:建築基準法施行令(昭和二十五年政令第三百三十八号)より

建築戦士スー
建築戦士スー

非常用進入口の設置条件は、『建築基準法施行令第126条の6』です。

第五節 非常用の進入口
(設置)
第百二十六条の六 建築物の高さ三十一メートル以下の部分にある三階以上の階(不燃性の物品の保管その他これと同等以上に火災の発生のおそれの少ない用途に供する階又は国土交通大臣が定める特別の理由により屋外からの進入を防止する必要がある階で、その直上階又は直下階から進入することができるものを除く。)には、非常用の進入口を設けなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合においては、この限りでない。
一 第百二十九条の十三の三の規定に適合するエレベーターを設置している場合
二 道又は道に通ずる幅員四メートル以上の通路その他の空地に面する各階の外壁面に窓その他の開口部(直径一メートル以上の円が内接することができるもの又はその幅及び高さが、それぞれ、七十五センチメートル以上及び一・二メートル以上のもので、格子その他の屋外からの進入を妨げる構造を有しないものに限る。)を当該壁面の長さ十メートル以内ごとに設けている場合
三 吹抜きとなつている部分その他の一定の規模以上の空間で国土交通大臣が定めるものを確保し、当該空間から容易に各階に進入することができるよう、通路その他の部分であつて、当該空間との間に壁を有しないことその他の高い開放性を有するものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものを設けている場合

引用:建築基準法施行令(昭和二十五年政令第三百三十八号)より

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第2章 非常用エレベーターの緩和与件について

緩和の魔法が解き放たれる条件を探しに旅にでよう!
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設置免除に係る法第2条第九号の二口に規定する防火設備の取扱い

絶対的な安全性を誇る防火設備の取り扱い
絶対的な安全性を誇る防火設備の取り扱い

建築基準法施行令第129条の13の2第三号かっこ書の「廊下に面する窓で開口面積が1m以内のものに設けられる法第2条第九号の二口に規定する防火設備(以後『防火設備』と呼ぶ。)」について具体的に解説します。

まずは建築基準法の原文を確認しよう!

(非常用の昇降機の設置を要しない建築物)
第百二十九条の十三の二 法第三十四条第二項の規定により政令で定める建築物は、次の各号のいずれかに該当するものとする。
一 高さ三十一メートルを超える部分を階段室、昇降機その他の建築設備の機械室、装飾塔、物見塔、屋窓その他これらに類する用途に供する建築物
二 高さ三十一メートルを超える部分の各階の床面積の合計が五百平方メートル以下の建築物
三 高さ三十一メートルを超える部分の階数が四以下の特定主要構造部を耐火構造とした建築物で、当該部分が床面積の合計百平方メートル以内ごとに耐火構造の床若しくは壁又は特定防火設備でその構造が第百十二条第十九項第一号イ、ロ及びニに掲げる要件を満たすものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたもの(廊下に面する窓で開口面積が一平方メートル以内のものに設けられる法第二条第九号の二ロに規定する防火設備を含む。)で区画されているもの
四 高さ三十一メートルを超える部分を機械製作工場、不燃性の物品を保管する倉庫その他これらに類する用途に供する建築物で主要構造部が不燃材料で造られたものその他これと同等以上に火災の発生のおそれの少ない構造のもの

引用:建築基準法施行令(昭和二十五年政令第三百三十八号)より

防火設備→はめごろし戸
防火設備→はめごろし戸

結論:『防火設備』が屋内廊下に面する場合、はめごろし戸を推奨。(廊下部分の避難動線確保の為)

長老ヨーク
長老ヨーク

建築基準法施行令第129条の13の2第三号では、100㎡以内ごとに防火区画を設けて防火・防煙性能を強化することで、非常用エレベーターの設置を不要としています。その為、例え開放廊下であっても防火・防煙上の問題がある場合には、開放廊下に面した窓も防火設備として開口部が1㎡以内になるように対策が必要です。特に屋内廊下においては防火・防煙の確保が難しい為、開口部は閉鎖機能を持つ『はめごろし戸』にすることが推奨されています。

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非常用エレベーターの設置免除規定(建築基準法施行令第129条の13の2一号〜四号)の概要

概要をまとめていくよ!
概要をまとめていくよ!
項目免除規定の内容
一号階段室、機械室、装飾塔、物見塔など、通常人がいない場所であり、火災発生の可能性が低いと考えられるものです。
二号各階の床面積の合計が500㎡以下の小規模な建築物です。
三号階数が4であり、主要構造部が耐火構造で、100㎡以内ごとに耐火構造の床や壁、または特定防火設備(常閉、熱感・煙感連動。ただし、廊下に面する窓は1m以内で両面20分の防火設備でも可)で防火区画がされ、延焼を防止できると期待されるものです。
四号機械製作工場や不燃性物品を保管する倉庫などで、主要構造部が不燃材料で造られているものです。
建築基準法施行令第129条の13の2一号〜四号のまとめ
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第3章 「建築物の防火避難規定の解説」を手に入れよう!

建築物の防火避難規定の解説を読む勇者のイメージ
建築物の防火避難規定の解説を読む勇者のイメージ
残業ブラッキー
残業ブラッキー

建築基準法や国土交通省の告示や通達を見ても、

本記事に関する情報は、載ってニャイよね?

建築戦士スー
建築戦士スー

そうなんだよ。『建築物の防火避難規定の解説』にしか載っていないんだ。

つまりこれがないと、設計が行き詰まってしまう場合があるんだ。

設計者は必ず購入すべき本です!少し高いけど、ずっと使えるから持っておくべきだよ!

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おわりに

昇降機の知識を獲得した
昇降機の知識を獲得した

非常用エレベーターの設置免除を適用するためには、防火設備の仕様が厳密に求められることが分かりました。1㎡以内の防火設備の適切な使用や防火区画の明確な設定は、免除が許可されるために必要な要素です。建築基準法や関連規定をしっかりと理解し、要件に応じた設計を行うことが、設置免除を取得するための重要なポイントとなります。実務での判断が求められる場面では、本記事の内容を参考に、適切な対応を心がけてください。

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