【寒冷地/積雪地】外構工事で注意すべき6つのポイント|凍害・雪害・低温障害への対策まとめ

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見習い女の子
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「寒冷地や積雪が多い地域での監理上の外構工事の留意点」について教えて下さい!

建築戦士スー
建築戦士スー

地域毎の特性を把握して計画に落とし込むことが重要だよね
寒冷地での外構工事の留意事項について』を解説しよう!

はじめに

寒冷地の番人が現れた
寒冷地の番人が現れた

冬季の外構工事は、気温の低下・地盤の凍結・融雪水の滞留などが原因で、舗装や植栽の品質低下が発生しやすい時期です。特に、凍害によるひび割れ(ヘアクラック)や剥離、変形などは、見た目だけでなく耐久性にも影響を及ぼします。

本記事では、アスファルト舗装から植栽まで、外構工事で注意すべき冬季特有のトラブルと対策を、カテゴリーごとに整理して解説します。

記事のレベル
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第1章 アスファルト舗装|温度管理が品質を左右する

アスファルト上が常時凍結状態にある永久凍土
アスファルト上が常時凍結状態にある永久凍土

主な原因:凍害・低温障害

アスファルト舗装は、施工温度の管理が最も重要な工種のひとつです。地盤が凍結しているときは、施工を行わないことが基本です。凍結地盤上では密着不良や沈下が起こる恐れがあります。

また、外気温が5℃以下の場合、アスファルト混合物の温度が低下して作業性や品質が悪化します。そのため、混合温度を高めに調整し、さらに保温養生を行うことで施工中の温度を一定に保ちます。

さらに、転圧時の温度が低すぎるとヘアクラックが発生するため、初期転圧温度を110~140℃に維持し、タンデムローラなどで均一に転圧することが求められます。

第2章 コンクリート舗装|気温と養生の両立がポイント

コンクリート舗装の上にタイルを貼り付ける職人
コンクリート舗装の上にタイルを貼り付ける職人

主な原因:凍害

コンクリート舗装では、打込み時と硬化中の温度管理が品質確保の鍵です。気温が2℃以下、または地盤が凍結している場合は、打込みを行わないのが原則です。

また、打込み後の気温が0℃を下回る恐れがある場合は、保温や加熱養生を行い、コンクリートの凍結を防止します。特に夜間の急激な冷え込みには注意が必要です。

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第3章 土間コンクリート|ヘアクラックを防ぐ細骨材管理

土間コンクリートの上にタイル舗装を敷く
土間コンクリートの上にタイル舗装を敷く

主な原因:凍害

外構で多く施工される土間コンクリートも、冬季は凍害によるひび割れが発生しやすい工種です。凍害につながるヘアクラックを防ぐためには、細骨材(砂)中の泥分量を確認し、品質の高い材料を使用することが重要です。泥分が多いとモルタルの付着性や強度が低下し、凍結時に割れやすくなります

第4章 モルタル|硬化時の凍結を防ぐ養生

石貼りの下地モルタル
石貼りの下地モルタル

主な原因:凍害

石材やタイルを貼る際のモルタルは、硬化途中での凍結によって接着不良を起こす可能性があります。そのため、冬季は施工後の養生を徹底し、凍結しないように温度を保ちます

特に夜間の冷え込みや風の影響を受ける外部作業では、保温マットやシートによる覆い養生が効果的です。

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第5章 犬走り|雪害による外壁汚れを防ぐ

犬走に植栽を設ける昔からの習慣
犬走に植栽を設ける昔からの習慣

主な原因:雪害

建物周囲の犬走り部分では、屋根からの落雪や雪の跳ね返りによって外壁が汚れるケースがあります。そのため、施工時や完成後には外壁を保護する養生を行い、汚損防止を図ることが重要です。

第6章 植栽|寒冷期の施工と凍結対策

丘の上にシンボルツリーを設ける配置計画
丘の上にシンボルツリーを設ける配置計画

主な原因:低温障害・凍害

植栽工事は、生育環境への配慮が欠かせません。気温が低い時期には植栽工事を行わないようにし、根が凍ることで枯死するのを防ぎます

また、融雪装置などの影響で発生する融水が地盤に滞留すると、根域が凍結して植物にダメージを与える場合があります。そのため、水はけを良くする排水計画を立て、地盤凍結を防止します。

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おわりに

寒冷地の知識を手にいれた
寒冷地の知識を手にいれた

外構工事における冬季施工は、気温・湿度・地盤凍結の3要素を常に意識することが重要です。どの工種においても気温が下がる前に養生する」「地盤凍結を避ける」「材料温度を一定に保つことが基本対策となります。現場では、天候の変化を常に確認しながら、計画的な施工と温度管理を行うことで、冬季でも高品質な外構を実現できます。

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勇者を救う救世主が残した魔本
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積雪時の設計で参考になる書籍としては、下記を推奨します。非常に細部までまとめられていますので、寒冷地での計画に関わる人の必携本です。

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