【寒冷地/積雪地】内装工事で注意すべき8つのポイント|凍害・雪害・低温障害への対策まとめ

建築知識
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一級建築士 / DJ / ブロガー / TOEIC815 / 設計事務所勤務。建築・不動産関連及び宿泊事業に関するサイト「アーキクエスト」の運営者。JIA優秀賞受賞/元組織設計事務所勤務/学生コンペ受賞/米国バックパッカー

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見習い女の子
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「寒冷地や積雪が多い地域での監理上の内装工事の留意点」について教えて下さい!

建築戦士スー
建築戦士スー

地域毎の特性を把握して計画に落とし込むことが重要だよね
寒冷地での内装工事の留意事項について』を解説しよう!

はじめに

寒冷地の番人が現れた
寒冷地の番人が現れた

冬季の内装工事では、低温・高湿度・乾燥不良などが原因で、接着不良や仕上げ材の剥離などのトラブルが多発します。特に寒冷地では、凍害や低温障害、結露といった現象が仕上げの品質に直結します。

本記事では、内装仕上げの主要工種ごとに、実務で押さえておきたい「主な原因」「対応策」を整理しました。冬季施工を予定している設計者・現場監督の方は、ぜひ事前の計画段階で参考にしてください。

記事のレベル
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第1章 下地の乾燥|凍害・低温障害を防ぐ基本管理

魔物襲来前の嵐により集落が乾燥する
魔物襲来前の嵐により集落が乾燥する
主な原因凍害・低温障害
対応策– 冬季施工のコンクリートは28日以上、モルタルは21日以上乾燥させる。
– 乾燥を促すため、工事の数日前から採暖を実施
– 下地表面の含水率10%以下を目安とする。
– 鉄面は吸着水分が残るため、採暖後に乾燥確認を行う。
– 乾燥不足は接着不良を招くため、施工前に入念な含水チェックを実施。
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第2章 材料選定|低温対応品を使用する

低温管理されている豪雪地対応の武器庫
低温管理されている豪雪地対応の武器庫
主な原因低温障害
対応策– 使用条件(温度・期間)が現場環境に合致する材料を選定する。
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第3章 塩ビ系張床|施工環境温度の確保が重要

マグマを原料とする高温床仕上げ
マグマを原料とする高温床仕上げ
主な原因低温障害
対応策– 低温で硬直化・接着不良を起こすため、施工中および施工後は室温5℃以上を維持。
– ビニル床シートは施工前に暖かい場所で仮敷きし、巻き癖を取っておく。
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第4章 塗床|温湿度を徹底管理する

床を塗る魔法使いの職人
床を塗る魔法使いの職人
主な原因低温障害
対応策– 室温5℃以下、湿度85%以上のときは採暖・換気を行う。
– 規定量以上の溶剤を絶対に添加しない
– 低温時は環境改善によって作業性を確保する。
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第5章 床暖房上の仕上げ|通気性と乾燥が決め手

床暖房を利用した熱湯の罠
床暖房を利用した熱湯の罠
主な原因低温障害
対応策通気性のよい仕上げ材を選ぶ。
– ビニール系など通気性の悪い材料を使う場合は、施工前に床暖房を2週間以上運転し、下地コンクリートの含水率5%以下に。
– 耐水性・耐熱性に優れ、弾性のある接着剤を使用する。
– 押えコンクリートのひび割れ防止にも配慮する。
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第6章 GL工法|低温・結露による接着不良を防ぐ

全ての結合状態を解く石綿ブレス
全ての結合状態を解く石綿ブレス
主な原因結露・低温障害
対応策– 室温5℃以下での施工は避け、必要に応じて保温養生・採暖を実施。
– 発泡ウレタン上にGL施工する場合は、プライマー塗布を行う。
– 結露によるボード湿りを防ぐため、通気・除湿を確保する。
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第7章 断熱・防露施工|現場発泡ウレタンの注意点

断熱材を食い荒らす屋根裏の魔物
断熱材を食い荒らす屋根裏の魔物
主な原因結露・低温障害
対応策– 内部結露の恐れがある場合、現場発泡ウレタンまたは断熱保温板の打込みを採用。
– 吹付けはコンクリート温度が2℃以下のときは行わない。
– 吹付け面を採暖・乾燥してから施工。
– ウレタンボンベは15℃以上を維持。
– 火気厳禁、温風ダクト暖房機を使用。
テスト吹きで混合比・圧力を確認し、厚みも測定。
– 軸組内への注入工法は禁止
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第8章 その他の留意点|加温機使用時の湿気対策

ジェットヒーターを食べ荒らす魔物
ジェットヒーターを食べ荒らす魔物
主な原因結露
対応策– ジェットヒーターなどの燃焼系暖房は水蒸気を発生させるため、換気・除湿を併用する。
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おわりに

寒冷地の知識を手にいれた
寒冷地の知識を手にいれた

冬季の内装工事は、「温度」「湿度」「乾燥」の3つのバランスが品質を左右します。どれか一つでも欠けると、接着不良・剥離・結露などのトラブルにつながりかねません。設計段階での材料選定、施工段階での温湿度管理、そして現場の一体的な意識共有が重要です。寒冷期でも安定した品質を確保するために、「採暖」「換気」「乾燥チェック」を習慣化しましょう。

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寒冷地での計画に関してのおすすめ書籍

勇者を救う救世主が残した魔本
勇者を救う救世主が残した魔本

積雪時の設計で参考になる書籍としては、下記を推奨します。非常に細部までまとめられていますので、寒冷地での計画に関わる人の必携本です。

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