宿泊業界には専門用語がある
宿泊施設の企画開発から設計を行うSUPERREです。宿泊業界には様々な業界用語が存在し、事業企画を進める上で用語の理解が不可欠となります。その中でも最もよく使われるADR（平均客室料金）、OCC（平均稼働率）、RevPAR（客室収益）について解説を行います。
ADRについて
ADR（平均客室料金）は、Average Daily Rateの略称です。ホテルの客室を利用する為に一泊あたり平均的に支払われる料金を表します。
この指標は、全客室の売り上げを総客室数で割ることで計算されます。ADRが高いほど、客室料金が高いことを意味し、ホテルが高付加価値のサービスや施設を提供していることを示すことができます。
OCCについて
OCC（平均稼働率）は、Occupancy rateの略称です。ホテルの客室の稼働状況を示す指標です。これは、ある期間内における実際に利用された客室数を総客室数で割ることで計算されます。OCCが高いほど、ホテルの客室が多くの時間で利用されていることを意味し、需要が高いことを示します。
RevPARについて
RevPAR（客室収益）は、Revenue Per Availableの略称です。ホテルの客室から得られる収益を表す指標です。これは、ADR（平均客室料金）にOCC（平均稼働率）を掛けた値で計算されます。RevPARが高いほど、ホテルの客室からより多くの収益を得ていることを意味します。
相関関係にある3つの指標
これらの指標は相互に関連しており、ホテルの収益性や効率性を評価する際に重要です。例えば、ADRを上げるためには、魅力的なサービスや施設を提供することで顧客が高い料金を支払う意欲を引き出す必要があります。一方、OCCを上げるためには、需要を高めるためのマーケティング戦略や効果的な予約システムを導入することが重要です。
また、ADRとOCCの両方を最大化することによって、RevPARを最適化することができます。高いADRと高いOCCを実現することで、より多くの収益を生み出すことができます。したがって、ホテル経営者はADR、OCC、RevPARのバランスをとりながら戦略を策定し、顧客のニーズに合わせた適切な価格設定やマーケティング活動を行う必要があります。たとえば、ADRを向上させるためには、顧客のニーズや競合他社の料金を調査し、適切な価格設定を行うことが重要です。また、OCCを増やすためには、オンライン予約システムの改善や販売促進活動、顧客ロイヤルティプログラムの導入など、需要を喚起する施策を実施することが効果的です。
ADR、OCC、RevPARの関係性を見ると、RevPARはADRとOCCの積で計算されることから明らかです。つまり、RevPARの最適化はADRとOCCの両方を最大化することによって達成されます。例えば、ADRを上げることでより高い料金を得ることができる一方、稼働率が低ければRevPARも低くなってしまいます。逆に、OCCを上げることで客室の稼働率を高めることができますが、ADRが低ければ収益を十分に生み出せません。
したがって、ホテル経営者はADRとOCCの両方をバランス良く向上させることに注力し、RevPARの最大化を目指す必要があります。顧客ニーズの理解や競合分析、効果的なマーケティング戦略の策定、サービス品質の向上など、多角的なアプローチが求められます。最終的には、ホテルの収益性を向上させるためにADR、OCC、RevPARの相互関係を継続的にモニタリングし、適切な施策を実施することが重要です。
