AIを実践的に設計検討に活かしたいな。。
StableDiffusionのinpaintを解説しよう!
はじめに
建築設計の分野でAI技術が急速に進化しています。特に画像生成AI「Stable Diffusion」は、建築設計プロセスを大幅に効率化するツールとして注目されています。本記事では、Stable Diffusionの「inpaint」機能を活用した建築設計の応用について詳しく解説します。
スポンサーリンク第1章 Stable Diffusionとは?
Stable Diffusionの概要
Stable Diffusionは、ユーザーが入力したテキストを元に画像を生成するAIツールです。2020年に設立されたイギリスのスタートアップ企業Stability AIによって開発され、潜在拡散モデルというアルゴリズムを使用しています。2023年1月には日本法人を設立しています。
項目 | 詳細 |
---|---|
開発企業 | Stability AI |
モデル | 潜在拡散モデル |
特徴 | オープンソース、無料利用可能 |
他の画像生成AIとの違い
Stable Diffusionは、無料で利用でき、生成枚数に制限がない点が特徴です。また生成画像が、人に悪影響を及ぼす内容を除き、自由に使えます。商用利用も比較的自由な印象です。
スポンサーリンク第2章 Stable Diffusionのinpaintの使用方法
今回ご紹介する「inpaint」は、「Stablediffusion」の機能の一つとなります。その為、「Stablediffusion」のインストールが必要となります。インストール方法は、別記事をご参照下さい。
筆者は、以下PCスペックでStable Diffusion Web UIを利用しています。
・MacBook Pro
・RAM 16GB
・CORE 8
・チップ APPLE M1
上記は最低限のスペックと感じており、画像生成をする際は処理速度が遅くなりがちです。可能であれば、これ以上のスペックを推奨します。
ご自身のPCでは無理とお考えのあなた!方法はあります!
自身のPCのスペックが低くて利用が難しい場合も、クラウドを経由してGPUを利用することもできます。ご興味のある方は、調べてみてください。例:Google Colaboratoryなど
スポンサーリンク第3章 Inpaintとは?
1 Inpaintの機能
Inpaintは、画像の特定部分を修正・置き換える機能です。
①のような元画像をアップロードし、②変更したい部分のみを選択し、③画像生成でスタディや検証を行うことが可能となります。
Inpaintの利点
Inpaintを使用することで、全体の画像を再生成する必要がなく、部分的な修正が可能となります。これにより、時間と手間を大幅に節約できます。
2 inpaintでできる建築設計の検討
ヴォリュームチェック
ぜひ画像を左右でスライドしてみてください!!!
計画敷地の写真を元に建築物のボリュームを迅速に確認できます。また、Inpaintを使用して建物の外観や外構レイアウトを簡単に検証できます。
斜線制限の検討
ぜひ画像を左右でスライドしてみてください!!!
都市計画法の斜線制限に基づく建物形状の検討も、Inpaintが役立ちます。プロンプトや選択範囲を絞ることで、制限を考慮した検討を行います。
スポンサーリンク植栽・ランドスケープの検討
ぜひ画像を左右でスライドしてみてください!!!
庭や外構のデザインにもInpaintを活用できます。植栽の配置や種類を変更することで、より理想的なランドスケープを作成可能です。
インテリアの添景編集
ぜひ画像を左右でスライドしてみてください!!!
面倒な添景の変更もinpaintなら簡単に変更できます。シーンに合わせたバリエーションを検討することができます。
開口部サッシ検討
ぜひ画像を左右でスライドしてみてください!!!
開口部の作り方も部分的に検討することで、室内空間の検証も簡単にできます
スポンサーリンク第4章 操作方法と推奨モデル
inpaintの操作方法
ここまででアウトプットをご紹介しました。
具体的なソフトの手順を下記より順番に解説します。
1 StableDiffusionを起動する
2 inpaintを選択
img2imgーGenerationーInpaintを選択ください。
3 編集したい画像をアップロードする
スポンサーリンク4 変更したい部分をマーキングする
5 パラメータを調整する
スポンサーリンクA: Resize mode
①Just resize
画像を引き延ばしてサイズ変更を行います。
②Crop and resize
縦横比を遵守し、元画像をトリミングします。
③Resize and fill
縦横比を遵守し、新たに生まれた余白部分を画像で埋めます。
④Just resize (latent upscale)
縦横比を変更し、サイズ変更を行います。
B:Mask blur
変更範囲の境目をぼかします。
C:Mask mode
①Inpaint masked
選択範囲部分のみ変更します。
②Inpaint not masked
選択範囲部分以外を変更します。
D:Masked content
①fill
選択範囲部分の周囲の色を元に画像反映します。
②original
選択範囲部分は、元画像を元に画像反映します。
③latent noise
選択範囲部分をノイズに戻した後、再度画像を生成します。
④latent nothing
選択範囲部分の元の色を基に画像反映します。
E:Inpaint area
①Whole picture
画像全体と選択範囲部分の画像生成を行います。
②Only masked
選択範囲部分のみ画像生成を行います。
F:Sampling method
選択するサンプラーに応じ、品質や生成速度に差が生じます。選択肢が非常に多いため、使って慣れてください。
G:Denoising strength
元画像の反映度を設定します。数値が小さいほど元画像に近いものが生成されます。
6 プロンプトを入力/生成に進む
①prompt
反映して欲しい内容を記載ください。
②Negative prompt
反映してほしくない内容を記載してください。
③Generate
全ての入力値を反映した画像生成を開始します。
おわりに
Stable Diffusionのinpaint機能は、建築設計のプロセスを大幅に効率化するツールです。部分的な修正が容易にできるため、設計の自由度が高まり、作業時間の短縮が期待できます。建築設計におけるAIの活用は今後ますます進化し、私たちの業務に新たな可能性をもたらしてくれるでしょう。
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